第3話

 通称:(平)凡太郎 (本名:本多 朗 ほんだ あきら



 顔は、友人曰く中の中。ちょっと童顔。

 成績は中の下。時々赤点。時々呼び出し。

 運動神経も同じく中の下。悪くはないが良くもなく。残念なことに足は引っ張る側。



 身長はそこまで高くない。背の順で並んだら真ん中よりちょっと前。

 体重はどっちかって言ったら軽い方。まあ、身長が身長だし。部活入ってないし。バス通だし。






「首にホクロがあると面倒事に巻き込まれやすいらしいぞ」


「え。……何個ある?」


「ここから見る限り3つはある」


「マジか……」





 可もなく不可もなく。少し面倒事に巻き込まれやすい体質の、何の取り柄もないただの男子高校生である。





「平凡代表の凡太郎である」


「はいはいどーも」





 そんな俺がなぜか、校内でちょっと有名な女の子に告白された。






「は? まだ言ってんのかよ」


「いや、だからほんとなんだって」


「わりぃ。俺、そろそろ起きねぇと」


「お前の夢じゃねぇって」





 腹立って二の腕をグリッと抓んで捩ったら、足が後頭部目掛けて飛んできた。



 ……さすがサッカー部次期エース。

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