第25話

「「「キャーーー!!!!!!」」」




耳が潰れる程の悲鳴と共に人集りが開けてそこを歩く男性が五人。


皆隣には女性を釣れて歩いており、前方の一人だけは女性を連れていない。



「お、来たね!リュウさん達!リュウさん今日も女連れてないねぇ」


「そういう所が好きなのよねぇ。何時見ても格好良いよねぇ」



どうやら乱の幹部の人達が此処に到着し、歩いてきている。


緊張して震える手を抑えながらも彼が居るかもしれないと思い、その人達の方を見る。



「……ッタ…ク……」


「ん!?あれじゃない!?噂の狂犬!!」


「わ!マジだ!超美形じゃん!髪しっろ〜!」



震える手が止まらないのは、そこにアタシの初恋の人が居たからだ。



「……なんで……どうして」



そんな筈無い、嘘だ、と願った。


生きてさえいてくれればいい、と思ってた。


こんな言葉しか出ないアタシを見る君は、アタシを見ずに二階席へと知らない女の子の肩を抱いて歩いて行った。

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