第19話

突然聞こえてきた"silent"という単語に耳を傾ける。



「え!マジ!?じゃあ狂犬とも会えるって事!?」


「そー!!しかも狂犬って超美形らしいよ!!白髪に目がグレーだって!!」


「うっそ!カラコン!?」



狂犬という単語をアタシは聞いた事がなかった。


彼女達の会話で何となくその狂犬がアタシの探し続けてる彼なのでは無いかと思った。


只何となくだけど、アタシの勘がそう言ってる。



「ねえ」


「……え?お姉さん、見ない顔じゃん!何?」


「その狂犬って何処に居るの?」


「もしかして狂犬の知り合い!?つー事は二県隣から来てんの!?」


「うん、探してて」


「丁度良いじゃん!!ウチらも今からそこ行こーって話してた所だから一緒にどー?」


「あー、でも狂犬が本当に居るか分かんないけどそれでも大丈夫?……つかこの子超美人じゃん!!」


「えー!マジだ!こんな所に一人で居たらやばいからウチらと一緒に居た方がいいよ!」



突然話しかけたアタシに対して嫌な顔一つしない彼女達の名前はユミとアカネと言うらしく、年齢はアタシの一つ上の大学生らしい。

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