第17話
そこから二十分ぐらいタクシーに揺られてた。
アタシの切羽詰まった声色を聞いたタクシーの運ちゃんはもう何も言わず、ただこの空間にはラジオが聞こえていた。
「着いたよ」
「ありがとうございました」
「この繁華街にタクシーは居ないから、もし必要ならここに電話しなさい」
「……ありがとうございます」
ゆっくんやダイチくんからの返信は無く、そのまま電子決済をした途端に切れるアタシの携帯の電源。
こんなに急に切れる事なんて今まで無かった筈だから、あの時落とした衝撃で充電の減り方がおかしくなってたんだと思う。
その運ちゃんはアタシに紙の切れ端を渡してくれた。
そこにはこのタクシーへと繋がる番号が書かれており、それを受け取って急いでタクシーを出た。
「ギャハハハ!!馬鹿じゃねぇの!!」
「うっわ〜可哀想〜!!チビってんじゃん!!」
タクシーから降りるとそこは正に"無法地帯"という名の通り、悲惨な状態だった。
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