特別な日に起こったこと。誕生日だったりクリスマスだったり、何かの年中行事だったり。
そこで起こった「何か」というのは、他の日と比べてより強く記憶に残りやすいものですね。
主人公は五才の男の子を育てる母親。「ひなまつり」の日を祝おうとしているが、その日にはちょっとした思い出があった。
「ひな」と名付けて可愛がっていた一匹の白い猫。友達の家でひなまつりをお祝いした帰り、また「ひな」の姿を見かけるが……。
特別な日に経験した出来事は、「その日」が来る度に思い出してしまうものでもあります。
もちろん、それが「怖い物」や「嫌な物」など、なんらかのショックを受けてしまうようなものであっても。
その度に思い出して、モヤモヤとした想いに駆られることもある。
本作の主人公もそんな経験を持っていましたが、その日は息子や夫とあたたかく「ひなまつり」をお祝いする日でもある。
家庭のあたたかさや楽しさがあっという間に「モヤモヤ」を押し流してくれる。そんな力強い「幸せ」な光景に、とにかくほっこりとさせられました。