推しと出会ってエッセイ
長月そら葉
推しに背中を押してもらった
突然ですが、この文章を読もうとして下さっているあなたには「推し」がいますか?
好きなスポーツ選手、アイドル、アナウンサー。お菓子、メーカー、工場夜景。作家、作品、ドラマ、アニメ……推しは、あなたが「応援したい」「好き」だと思う何でもが対象になるんです。
わたしが「推し」というものに出会ったのは、三、四年前のことです。社会人になってしばらくしてから、なんですよね。それまでは、所謂オタク文化から距離を置いていました。わたしの幼い頃は、まだまだオタクは市民権を得ていなかったんです。
そんなわたしの推しは、とある二次元アイドルです。SNSで繋がっている方々はご存知だと思うのですが、とあるコンテンツの兄弟キャラクターが大好きです。ここはカクヨムということで、著作権等を気にしておきます。伏字をしながら語りますね。
『アイドリッ〇ュセブン』というスマホゲーム、もしくはアニメ、マンガ、映画をご存知ですか? 所謂音ゲーです。アニメ四期制作の発表が最近あり、滅茶苦茶楽しみにしています。
このコンテンツは、とある七人組アイドルグループを中心に、十六人のアイドルの成長を描く物語です。キラキラしたアイドルステージや曲は勿論、リアルな挫折、誹謗中傷、芸能界の闇まで描く、なかなか奥が深いストーリーとなっております。
さて、わたしにこのコンテンツを勧めたのは同期でした。CDやアニメDVDを積極的に貸してくれ、最初はそれに留めていたわたしも、いつの間にかゲームをインストールして、ライブにまで足を運ぶようになってしまいました。人間変わるものですね。
所謂推し活を始めた頃、わたしは心身共に参っていました。
一日中、長い時は休憩を挟んで十二時間くらい立ったまま動き回る仕事をしていましたが、三、四時間の睡眠時間で足りるわけもなく。副班長という立場もあって職場全体をコントロールしないといけないことも多く、疲れていたんだと思います。
店舗へのヘルプや異動も経験しましたが、体の不調はいつしかピークに達していました。朝から吐き気がする、一日中頭痛と眩暈と立ち眩みと腹痛に悩まされながら仕事をする日々の中にいたのです。一度も仕事中に倒れなかったのは、もはや意地ですね笑
そんな中でも頑張れたのは、ひとえに責任感や義務感だったと思います。やらなきゃ、迷惑かけたらいけない……そんな気持ちでしょうか。
仕事の日は憂鬱そのものでしたが、休みの日は違いました。
仕事の疲れは物凄くありましたが、特に推し活をする時は楽しかったです。次はこのイベントがあるから生きなきゃ、このグッズ買いたいから頑張る。そんな風に、小さな目標にしていたんですね。
しかし、体が悲鳴を上げ始めてからしばらくして、わたしは仕事を辞めることを決めました。転職先を見付けてから辞めた方が良かったのかもしれませんが、精神科に通って自律神経失調症の診断を受けていたわたしは、限界でした。そして、この会社でしか使うことの出来ないスキルだけでなく、幅広いことをしたかったのです。出来るなら、全く別の仕事も経験したかった。
正直、辞めるかどうかも悩みました。休職して復職する道もありましたからね。
それでも転職の決断をしたのは、どんな困難にぶつかっても、最後には乗り越えていく推しの姿があったから。彼らの歌う曲に何度も励まされたからです。きっと一人なら、本当に潰れるまで頑張ったと思います。社会人になってようやく、一生懸命とほどほどを使い分けないといけないんだと知ったのです。
現在は、前職とは違う仕事をしています。ここにもずっといる気はないです。今年は幾つか資格を取り、来年度には新たな方向性を定められればと思っています。そもそも作家を目指す以上、副業禁止では難しいので。
やりたいことに挑戦して、折角ならわくわくしたい。作家になって、作品をアニメ化して、推しの声優さんに声優をしてもらいたい。これがわたしの新たな目標です。
とりとめもなく語っていますが、最後に推し活をするようになってからの出会いについて書いておきます。
推し活をして、イベントに行ったりSNSで交流したりオフ会に行ったりする中で、交友関係が変わりました。これが一番大きいかもしれません。
同級生や同期くらいしか友人はいなかったのですが、今では高校生や大学生、社会人になって間もない子など、年下の子と仲良くなることが段違いに増えました。推し活をしなければ、出会うことはまずなかった人たちです。
中には二人で遊びに行ったり、ラインで連絡を取り合うような子もいます。また遊ぼう、と約束出来る相手が何人も増えました。
そして年齢は違いますが、同じ話題で何時間でも喋れるんです。これって、きっと推し活ならではではないでしょうか。最長五時間くらいです笑
グッズを買う、ぬい活する、イベントに行く……。推し活を始めたことで、やる気がわたしの中に増えたように思っています。資格を取ろうとか、疲弊していた時は考えもしませんでしたから。色の知識を深めたいと思ったのは、推しのカラーを身につけるようになったからかもしれません。オレンジと青(もしくはネイビー)が暮らしの中に増えました。
きっとこれからも、自分のペースで推し活を続けます。推し活に疲れたらちょっと離れたり、戻って来たりすることもあるかもしれませんが、それで良いんです。
今のわたしがあるのは、二人の推しのお蔭です。彼らのことを大好きにならなかったら、夢見なかった夢があります。それを叶えるために、毎日小説を書いています。
推しについて語ろうと思えば、もっと語れますが……このエッセイではここまでで笑。
推しに恥じないファンでいたいから、推しに会いたいから、笑顔でいて欲しいから。ずっと応援していきます。出会わせてくれた奇跡に感謝を。
まとまり皆無のエッセイでしたが、もしもあなたが推し活を楽しそうなものだと思って下さったのなら、幸いです。自分が楽しいと思う方法で、やってみてください。きっと、何かが変わると思いますから。
その変化が、良いものでありますように。
推しと出会ってエッセイ 長月そら葉 @so25r-a
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます