教会が定めた禁じられた6つ大罪役職。
その中に【死霊術師】は居た。
かつて【死霊術師】が一つの町を滅ぼし、城を落としてしまったからである。
ある日の神託によって、彼を如実に示した役職は【死霊術師】として彼は【死霊術師】という呪いの役職を授かる。
【死霊術師】を持つだけで犯罪、即座に処される。
彼はそれを知っていた。
幼い頃に両親を亡くした彼は「両親に別れを言いたいから一晩の時間をくれ」と綺麗な嘘をつく。そして自分は【死霊術師】だと知っている者を殺し、易々と逃亡し、【槍聖】と役職を偽り、そしてゴミ漁りの浮浪者へと転身した。
彼の目的はただ一つ。
【死霊術師】から転職することだ。
しかし、ゴミ漁り中に衛兵隊によって捕縛され、彼の役職を調べられそうになるが……?
【死霊術師】
それを持つだけで最悪の場合殺されてしまう、大罪役職。
彼は不運にもそれを授かってしまった。
彼は冒険者として金稼ぎもしたかったが、役職を調べられれば一発で逮捕。
衛兵隊の尋問を耐え抜くが、彼には未知なる脅威が迫っていた。
鑑定スキルを持つ謎の美少女。
そして解放される彼を待ち受ける、大規模クエスト。
彼は、転職して普通の生活に戻ることができるのだろうか?
続きが楽しみです。キャラの個性も結構好き。バトル、推理、盛りだくさんの本作はイチオシです。
ぜひ読んでみましょう!
魔物から子供を守って死んだ【槍聖】の父のように、周囲の人間を守れる男になろうと誓ったナイク。そんな彼に女神が与えた役職は【死霊術師】。かつて人類の1/3を殺したことで知られる超曰くつきの役職だ。
こんな邪悪な役職を上手く利用して世のため人のために生きようとする……のが王道の物語なのだが、ナイクは自分の役職を知った司祭をその日の内に殺して逃亡してしまう。もう弁明の余地なく邪悪である。そう、この物語は王道の英雄譚などではなく、邪悪な能力に相応しい性格の少年が自分の正体を隠そうと悪あがきをするピカレスクな物語なのだ。
使い方次第では最強にもなれるチートな役職の【死霊術師】だが、バレたらえらいことになるのでナイクはこの力をめったに使おうとしない。それどころか正体を隠すために役職とは噛み合わないスキルまで習得しており、やっていることはチートどころか縛りプレイである。しかし、正体を隠しながら自分の戦える道を探るこの縛りプレイがとても楽しいのだ! 中でも隠匿能力をギミックとしてフル活用した1章後半の不気味な戦闘シーンは本作ならでは。
また、必要ならば親しくなった人間でも躊躇いなく殺せるのだが、快楽殺人者というわけではないので、なるべく穏便に物事を解決したいと考えるナイクの人間性が非常に不安定で読んでいてハラハラする。主人公の邪悪な精神性が作品全体をどす黒く染める、新種のダークファンタジーだ。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=柿崎憲)