ぼくにしか魅えないアイドルーーファンの絆はスキャンダルくらいでは切れません

Peeping Dom

第1話 みんなのアイドルは僕のアイドルじゃない!

 誰もが知ってるトップアイドルが、もしも同級生だったら?

 そりゃー高嶺の花に決まっている。

 しかし、テレビには、更に高嶺の花と言える美人女優やトップモデルなど、超セレブがわんさかだ。そういう超セレブに比べると、アイドルってのは若くて親しみやすいところがある。本当は高嶺の花なのに高嶺の花に見えない。


 アニメのヒロインなんかも、目元涼やかなクールビューティーよりも、お目々パッチリのベビーフェイスが多い。これもアイドルの傾向に似てるよな?


 でも僕にとってのアイドルは世間一般の尺度とは違う。スレンダーなクールビューティーが大好きだ。妹系よりも、年上のお姉さまが好い。高嶺の花の中の高嶺の花、トップモデルみたいな完璧で隙のない女性がタイプだ。

 アイドルってのは、偶像って意味である。偶像崇拝されるのは神様である。僕は雲の上の女神さまの長い御美脚にひれ伏したい。

 だから、昔から不二峰子とかドンジョロウ様が大好きだった。デメーテルなんか最高だね。鉄三の代わりに僕が『銀河鉄道69』に乗りたいよ。


 となると、同級生よりも、女教師に憧れそうなもんだけど、僕の琴線に触れるような人はいない。もしも僕の母がデメーテルみたいだったら、過ちを犯してしまいそう。でも、僕は孤児だから、母の顔知をしらない。自分の顔を鏡で見たら、実の母がデメーテルみたい筈はない。


 ということで、僕はクラスの男子連中のアイドル談議についていけてない。アイドルに無関心な無粋な奴と見なされている。三次元どころか二次元でも趣味が合わない。


 そんな僕にも転機が訪れる。ますます孤立していく。名誉ある孤立好いじゃないかよ?

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