かわいいアイドルを目指しているの
片山大雅byまちゃかり
かわいさに免じてゆるしておねがい☆
「このかわいさに免じてゆるしておねがい☆」
「ダメです。リアクション芸アイドルが鼻にザリガニを挟めないともなれば致命的ですから」
「あたしはリアクション芸人じゃない! かわいい系アイドルなの!」
あたしは山崎ひなた。不本意な形で大ブレイクした、かわいい系アイドルを目指している女の子だ。
今は、鬼畜無惨なプロデューサーにザリガニを鼻に押し付けられている。彼曰く、リアクションのシュミレーションをしているらしい。
「いいや、貴方は立派なリアクション芸人です。先日の落とし穴のリアクション大好評だったんですから」
彼はゲラゲラと笑いながら『落ちた際の、事務所NGレベルのあの表情は、天賦の才を感じさせてくれました』と、あたしに追撃の言撃を仕掛けてくる。
「さあさあ、私に新たな可能性を見せてください山崎さん!」
プロデューサーがワキワキとにじり寄ってくる。
「ヒィィィィ!? プロデューサーにあたしのかわいいが穢されるぅぅぅ!?」
「まあまあ、おしるこ吹いてください山崎さん」
「落ち着いてくださいでしょ? そこら辺びちゃびちゃになるよ?」
「一度味わったらクセになって、抜け出せなくなりますから」
この日、あたしの鼻と尊厳は儚く散っていった。
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