不思議な読後感の本作
下敷きにあるのは、作者様の児童文学への愛だと勝手に感じていますが。
読み手によって感じ方が変わるのではないかと思います。
この物語に登場する「あの子」は誰なのか。そこを分析するのは、むしろナンセンスで。その時に感じた「あの子」が、その人だけの正解なのではと思います。
ちなみに僕は、どこか懐かしい空気を感じ取ってしまいました。
失われた原風景と言えば良いか。
ああいう温度感で言葉を交わしたり、馴染みのお店に行ったりというのが、もう失われて。色褪せてしまったのかと思うと、すっかりおとなになってしまったんだなぁ、と。やけに納得してしまいました。
あなたが物語の向こう側で見たのは、どんな光景でしょう?
ぜひ、この不思議な読後感を味わって欲しいと思います。