第41話 衣装を決めよう!③
【宮城翔】
真が、当然のように、
「もう、
「加藤、いいセンスしてるぜ。性格は・・・まいいか。デザインは、センスだぜ、センス。」
と言った。
女子の中から、
「えっ・・・。どうして、
という声が聞こえてきた。
「翔も、末広も、このイラスト見てみろよ。」
俺と末広さんは、加藤さんの描いた白拍子のイラストを見た。それは、黒鉛筆で描かれたイラストだった。
末広さんは、前の方の女子に紙を渡して、
「みんなで、回して良く見てみて。」
女子から、
「具志堅さん、
「具志堅さん、神秘的な感じあるよね。」
男子からも、
「具志堅さん、かわいいよな。」
という声が聞こえてきた。
「今更気付いたのか。そうなったのは最近だと思うがな。」
真だけ「当然じゃないか」という反応をしていた。
へぇ、よく見てるな。
具志堅さんは、顔を真っ赤にして、下を向いていた。
そんな中、女子から
「私、巫女さんの服、着てみたかったんだよね。」
「いいよね、巫女さん」
「でも、私、
「そうだよね。地味すぎるよね。」
「
「それいい!」
という声が出てきた。
「仕方がないわね。じゃあ、女子は
末広さん、いい判断だな。
「でもよ、女子に普通のやつ、庶民の役がいなくなったら、人数的におかしくねぇか。」
「そこは、男子で、庶民が着る
「仕方ねぇな。女子共にウダウダ言われるのも面倒だしな。」
「そして何よりも、女子の庶民の服より、女子の綺麗な衣装をたくさん作れる方がオレの実力を発揮しやすいしな!!指が鳴るぜ!!」
真が、指の関節を高速で何十回も曲げながら言っていた。
真、それ「腕」だぞ。
「佐川は、庶民は決定だな。」
真は、迷いなく言っていた。
「待ちなさい!!なぜ、ワタシが庶民の
「佐川は庶民がお似合い。」
女子から声が聞こえてきた。
「大体ですね!!イラストも出来上がってないのに決めるというのは早計…!!」
「イラストならできてるぞ。具志堅からもらった。加藤が描いたんだってさ。ホラ。」
真が、加藤さんが描いた庶民が着る
「これは…。ワタシの顔ですね。ただ、こう、もう少しインパクトが欲しいところですね。」
女子から、
「佐川は、存在自体がインパクトあるよね。」
「変な意味でね。」
という声が聞こえてきた。
「何言ってんだ。あるだろインパクト。これとか。」
加藤さんの描いたイラストの左胸の所に『長』という字を○で囲っているものが書いてあった。
「インパクトあるだろ。武術漫画の道着みたいでさ。」
「言われてみればそうですが、なぜこのデザインにしたのでしょうか。」
それは俺も思っていたことだ。
「加藤さんが言うには、委員長の『長』だそうです。小さく『委員』ともあります。」
「そうなのか?」
俺も、もう一度見てみる。あ、本当にあった。すごく小さいけど。
「それにね、佐川が庶民の役をやってくれると他の男子たちも『委員長がやるなら俺たちもやってやるか』って納得するのよ。」
末広さんが助け舟を出した。
「なるほど。そうですか。私は、庶民の
他の男子たちも、ムリに「そうだそうだ!」と同意をするように、首を縦に振っていた。
佐川、いいのか?それで?
俺は、着る衣装毎に、人数を書いた。
① 武家の階級
・男子:
・女子:
② 庶民
・男子:
・女子:
③ その他
・巫女 5人
・白拍子 1人、具志堅さん
それぞれの衣装に人数を割り当てるのは、すぐに終わった。
末広さんが、
「これから、誰がどの衣装を着るか決めるね。」と言った。
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