学園祭 6 蒼生side

蒼生side


乃蒼ちゃんがメイドカフェをしてると蓮が言っていたので、行ってみることにした。


かわいいなぁ…。


乃蒼ちゃんと蓮の絡みを楽しみながら席に案内される。



「なぁ、お前の抹茶パフェくれよ。」


「いいよ。じゃあワッフルちょっとちょうだい。」



しばらく蓮と他愛もない会話を楽しんだ後、料理が出てきた。もちろん出してくれたのは乃蒼ちゃんだ。


…いじわるしたい。


蓮と目線を合わせて合図を送る。それを受け取ったのか、蓮が言う。



「え、メイドカフェってなんかなかったっけ?」



わかりやすく戸惑う乃蒼ちゃん。さては今までサボってたな…。

蓮と一緒に追い討ちをかける。



「あー、料理に萌えをトッピングしてくれるやつ?」



さらに焦り始めた乃蒼ちゃんが可愛くて、もっといじわるしてみた。


最終的には『お、おかえりなさいませ。ご主人様…。』と照れながらも言ってくれた。


…それは反則でしょ。俺と蓮は反射的に目を逸らしてしまう。


耳に熱を感じる。多分赤くなっているのだろう。



「…もう一回やって?」



脳に焼き付けておきたくてもう一回頼んでみたけど、さすがに乃蒼ちゃんは恥ずかしかったのか裏に逃げてしまった。


ふと周りを見てみると、女装をしている男子たちが顔を赤らめていた。


…絶対見てたじゃん。



「乃蒼ちゃん、一緒に写真撮ろ。」



楓さんに頼んで呼んできてもらい、窓に映ったシルエットを撮る。



「ありがとう。」



と言いながら頭をポンポンとすると、すぐに逃げられてしまった。


そうだ、これLINEのトーク背景にしよ。



帰り際に雪さんに呼び止められた。



『先輩、さっきの乃蒼の動画撮ったんであげます。』



…乃蒼ちゃんの周りはいい人ばかりらしい。

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