第6話 寸止め…お仕置き?


「…で?…期末テスト前、恐らくは最後になるだろう数学の小テスト…どうだったんだい?」

実乃里「よくぞ聞いて下さいましたわっ!」


いつもの実乃里ちゃんの勉強部屋。私学の可愛い制服に身を包んだ実乃里ちゃんが見せてくるどや顔は…それでも可愛いんだから美少女ってやつは得だと思う。

(画像)私学の可愛い制服の実乃里ちゃん

https://kakuyomu.jp/users/kansou001/news/16818622170454769804


嬉しそうな実乃里ちゃんが出してきた答案用紙は「100点」!


「凄いな実乃里ちゃん!」

実乃里「…はいっ!」


「うん…もう方程式系の問題は完璧になってきたんだね。図形もこの間の中間テストの結果を踏まえると…そろそろ俺もお役御免だねっ!」

実乃里「…は?」


突然…実乃里の表情が無と化して…まとう雰囲気が獲物を前にした肉食猛獣のそれに変化した。


実乃里「…先生?…何のお戯れですの?…笑えない冗談はおやめになって…ね?」

「は…はいっ」


…こ…怖ええ…マジで…


実乃里「こ…こほんっ、大体ですね、先生はわたくしの高校入学後もそのまま家庭教師をやっていただくことは確定ですわ」

「…え?…来年は大学四回生で就職活動もあるから…普通に難しい…ひええっ」


実乃里「…先生?…何か聞いてはいけないたわごとが聞こえたような気がするのですが…まさか…来期は家庭教師を辞めるおつもりで?」

「…え?…だってこの家庭教師…高校受験のためのものだったよね…ダメなの?」


がらっ!!


?「ダメに決まってるでしょうっ!!」

「…うわああっ!」


突然だ…突然、いつもは何の気を利かせているのか分からないが、三時間回のときには決まって外出しているはずの、実乃里ちゃんの超美形おかあさんの里緒りおさんが押入れから飛び出してきた。

…何の手品だよっ!?

…まさか…今までも…デバガメ…



里緒「…ということで…三月さんの家庭教師終了は秋山家としては認められませんわっ!」


…うん…おかあさん、早口過ぎて何言ってたのやら…


実乃里「そうですわ!高校入学早々私が落ちこぼれたら…折角の先生の努力が無駄になってしまいますわっ!」


…うん…そうかも知れないけど、そもそも実乃里ちゃんの志望の音大附属じゃ数学なんてそんなに…あれ?


「ねえ…実乃里ちゃん、おかあさん」

里緒「はい?」

実乃里「何ですの?」


「そもそも…実乃里ちゃんの受験って、数学要るの?」

実乃里「失礼ですわっ…要るに決まって…」


里緒「…それを言うならもう終わっちゃってるわよね、実乃里の受験」

「…は?」

実乃里「おかあさまっ!」


…ど…どう言うこと?


里緒「どう言うことって…推薦で9月に…実乃里言って無かったの?」


こ…こ…この子はっ!


「…実乃里ちゃ〜ん!?」

実乃里「だ…だって」


実乃里ちゃん、真っ赤になって涙目。


実乃里「受験終わったとか言ったら…先生、本当にお辞めになりかねないじゃないですか…」

「…」


本当…実乃里ちゃんといい秋男といい…秋山家ってやつはっ!



「あら…お買い物に行かないと…先生?これからも実乃里のことお願いしますわね…おほほ」とか言いながらおかあさんは退場していって…勉強部屋には、涙目の実乃里ちゃんと唖然とした俺が残された。


「…」

実乃里「…あの…先生…」

「…」

実乃里「ご…ごめんなさい…」

「…」


実乃里「で…でも…わたくし本当に感謝しているのですよ…人生で数学が楽しく感じられるようになるなんて…考えもつかなかったのですもの…だから」


突然、猛獣に狩られるが如く…実乃里ちゃんが抱きついてきて、俺はベットに押し倒された…


実乃里「…先生〜〜」

「分かったっ!!落ち着いて実乃里ちゃんっ!」


当たってる…いろいろ柔かいのが当たってるからっ!


実乃里「先生…辞めるなんて…辞めるなんておっしゃらないで!」

「言わない!…言わないから…」

実乃里「ほ…本当ですの?」

「ああ…受験成功おめでとう…実乃里ちゃん」

実乃里「先生〜〜」


当たってる…本当いろいろ当たってるんだよ〜



やっと…落ち着いてきた実乃里ちゃんとベットに並んで座って…実乃里ちゃんを抱き寄せた。

実乃里ちゃんの優しいシャンプーの香りが俺の鼻腔をくすぐってくる。


「高校入学のお祝いを考えないとな…」

実乃里「それはおいおい…まずは小テストのご褒美が欲しいですわ…」

「うん…100点は凄いよ…文句無しに…気持ち良く…してあげるね」


実乃里「…あ!…あああ…んんっ」


この日初めて…俺は実乃里ちゃんを焦らした…ちょっとだけ高校合格を黙っていたお仕置きも込めて…でも…彼女に極上の快感を与えたいのも本音で。

実乃里ちゃんは俺の寸止め愛撫に喘ぎ泣きながら…じっくりと時間を掛けて…たった一度の絶頂で気を失ったんだ。


次回「【幕間】実乃里の独白日記①」





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