第16話

男は来るたびに母屋にも顔を出し、おシゲさんや春姫と親しく話をしていた。

ある日など、私が高校から帰ると、台所の真ん中で男が脚立に登っているのに出くわし、ビックリしたことがある。

「いえね、蛍光灯が切れちゃいまして、替えようとしていたんですけどね、ここのところ腰を伸ばすと痛くて。困っていたら夢幻さんが、僕がやりましょうっておっしゃって、本当に助かりましたわぁ」

おシゲさんは嬉しそうに説明した。男は手際良く蛍光灯を替えながら、おシゲさんに言った。

「腰痛は放っといちゃダメですよ。うちの大学病院に○○先生って良い整形医がいるんですがね、何だったら僕が予約しておきましょうか?」

「あら~、それは助かりますわぁ。宜しくお願いします」

おシゲさんは、近頃の若者には珍しく、気配りのできる青年だと男を褒めた。

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