第3話

「…そう、それじゃ、いつものお注射打ってあげるから、寝ましょうね。あんまり長く起きていると、また倒れちゃうわよ?」

「うん…ごめんなさい…」

「気にしないの」

ベッドに横たわり、まぶたを閉じる妹。蒼く浮き出た腕の血管に注射をした後、毛布を掛け、髪を撫でてやる。

「おやすみ、春姫」

「うん、おや…す…み…」

やがて、穏やかな寝息が聞こえてくる。その眠りを壊さないよう、私はそっと妹の部屋を出た。

 

階下に下りると、家政婦の繁村さん…私達はずっと「おシゲさん」と呼んでいる…が、忙しげに屋敷中の窓を閉めていた。

「あぁ、秋姫お嬢さま、二階の窓は開いていませんでしたかね?」

「大丈夫よ、さっき閉めておいたから。…雨雲と風が出てきたわね」

「はい、夕方には嵐になるとTVで言ってました」

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