8 10月の出来事
第40話
ペナントレースの締めくくりは10月1日。
最終戦のマウンドを受け持ったのもやはり黒田。
真っ赤に染まったマツダスタジアムの地元ファンの前で、今季最終戦もきっちりと勝利で締めくくりました。
2016年のカープのペナントレースの総戦績は、89勝52敗2分。
2位のジャイアンツに17.5ゲーム差をつけての、ぶッちぎりの文句なしの圧勝でございました。
こんなにも強いカープは本当に久しぶりで、地元の年配のファンは「あの黄金時代(1980年代)のカープを上回る強さではないか」と嬉しそうに語り合っていました。
しかし、そんな喜びの日々の中にも、いくつかの悲しいニュースが届きました。
9月20日には、倉義和捕手と広瀬純選手の2名が引退を発表。
倉はかつて黒田と組んでいたベテランキャッチャー。今後はカープ2軍コーチとして後輩の指導に当たります。
広瀬は人柄が良く、若い野手達の兄貴分的存在でした。今後は野球解説者としての第二の人生を歩みます。
また、ファンの間で“名曲”として愛されてきた広瀬の応援歌の前奏部分は、広瀬の弟分である菊池に引き継がれます。
10月3日には久本祐一投手と中東直己選手の2名、さらに西原圭大投手にも戦力外通告が。
戦力外通告というのは、要するに「クビ」ということ。
そのチームの選手として登録できる人数に制限がある以上、ドラフト等で新しい選手を獲得するためには、それと同じだけの戦力を削らねばならないのは宿命なのです。
とはいえ、カープファンに愛されてきた大好きな選手なので、たとえスタッフででもカープに残ってほしかったのが本音ではあります。
しかし彼らは現役続行を希望し、他チームからのオファーを待ちましたが、残念ながら選手としてのオファーはどこからもありませんでした。
その後、久本投手はバッティングピッチャー(打撃練習のためのスタッフ)として古巣のドラゴンズに戻り、中東選手は地元の不動産会社に就職、西原選手は社会人野球時代に勤務していた製造業の会社に戻ったようです。
しかしこの後、さらに悲しい、大きな“別れ”が待ち受けていようとは、カープファンはこの時まだ知らなかったのでした――
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