第17話
…ふと、誰かの視線に気付いた。
路肩に1台の外車が停まり、運転席に眼鏡をかけた男が座っていた。男は、凄く怖い顔で、私達を睨んでいた。
…な、何なの?
気味が悪かったので、知らん顔をして通り過ぎ、しばらく行ったところで私は尋ねた。
「ねぇ、鬱摘君。『へ』の字が2つ重なったようなマークって、どこの車?」
「ん?ああ、ダブルシェブロンのエンブレムだな。シトロエンだ。それがどうした?」
「えっとね、あそこに停まってるの」
私はそっと目線でさっきの車を指した。
「…んんんーーーー?」
鬱摘君は眉をひそめてその車を睨んだ。
「うっちゃん~、顔、怖いで~」
「目が悪いんだから仕方がねェだろう?…あれは…C5か。イイ車に乗ってやがる」
あ、そっか。さっきの人も目が悪かったのね…なぁんだ。
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