第12話

…さてと、この間に私は仕事しようっと。

「えーっと、ナイト・ショウ『悪夢』は0:00~1:30っと…あれ?こんな映画館あったっけ?インディーズ映画かしら…」

取材メモやファクシミリで送られてきたスポンサーからの情報に目を通しながら、映画欄や広告欄などを作成する。

「うわ、『あなたの運をお上げします』だって。モロ胡散臭ぁ…新手の宗教かしら…」

雑誌が雑誌だけに、スポンサーも得体が知れないのが多い。ま、広告主様を選り好みできる立場じゃあないけれど。

ぶつぶつ言いながらマッキントッシュのキーボードを叩いていると、客が来た。

「ちわーっス、まいど」

「あら、いらっしゃい」

最近懇意にしている情報屋の男だった。

「…なんか、悲鳴が聞こえるんスけど?」

「ああ、気にしないで。何か良い情報入ってます?」

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