第7話 トンネル

 原生林の奥深く、昼なお暗い場所。赤坂と影沼は、慎重に足を進めていた。

「この先に、高得点エリアの断崖があるはずだ」

 赤坂は、地図を見ながら言った。

「でも、大野がデスノートを使っているとしたら…」

 影沼は、不安そうに周囲を見回した。

「警戒を怠るな。だが、恐れるな。奴の行動パターンを読めば、必ず突破口はある」

 その時、二人は、目の前に巨大な岩山がそびえ立っていることに気づいた。そして、その岩山の中腹に、ぽっかりと口を開けたトンネルを見つけた。

「あれは…」

 影沼が呟いた。

「トンネルだ。断崖に続く、近道かもしれない」

 赤坂は、トンネルを見つめながら言った。

「でも、罠かもしれないわ」

 影沼は、警戒心を露わにした。

「確かにな。だが、このままでは、大野に追いつかれる。リスクは承知の上だ。行くぞ」

 赤坂は、そう言い残し、トンネルへと足を踏み入れた。影沼も、後に続いた。

 トンネルの中は、昼間だというのに、真っ暗だった。二人は、懐中電灯を頼りに、慎重に歩を進めた。

「何か、音が聞こえる…」

 影沼が呟いた。

「…」

 赤坂は、息を潜め、耳を澄ませた。

 その時、二人は、トンネルの奥から、複数の足音が近づいてくることに気づいた。

「まずい!誰か来る!」

 影沼が叫んだ。

「隠れるぞ!」

 赤坂は、影沼の手を引き、トンネルの壁に身を寄せた。

 足音は、次第に近づいてくる。そして、二人の目の前を、数人の人影が通り過ぎていった。

「大野だ…」

 影沼が呟いた。

「ああ。奴も、このトンネルを通って、断崖を目指しているようだ」

 赤坂は、人影が完全に通り過ぎるまで、息を潜めていた。

 人影が遠ざかっていくと、二人は、再び歩き始めた。しかし、彼らの表情は、先ほどよりもさらに険しくなっていた。

 トンネルの奥へと進むにつれて、足音は大きくなっていった。そして、二人は、トンネルの出口にたどり着いた。

 出口の先には、広大な空間が広がっていた。そこは、断崖へと続く、巨大な地下空洞だった。

「ここが…」

 影沼が呟いた。

「ああ。ここから、断崖へと続く道があるはずだ」

 赤坂は、周囲を見回しながら言った。

 その時、二人は、空洞の奥に、人影を見つけた。それは、五十嵐だった。

「五十嵐…」

 赤坂が呟いた。

「なぜ、ここに…」

 影沼は、不安そうに言った。

「おそらく、奴もデスノートを狙っているのだろう」

 赤坂は、冷静に言った。

「どうする?奴と戦うの?」

 影沼が尋ねると、赤坂は答えた。

「今は、まだだ。奴と戦うのは、大野を倒した後だ」

 二人は、五十嵐に見つからないように、慎重に空洞を移動した。そして、断崖へと続く道を見つけた。

「ここから、断崖へ行けるはずだ」

 赤坂は、影沼に言った。

「でも、大野と五十嵐が…」

 影沼は、不安そうに言った。

「大丈夫だ。俺たちなら、必ず突破できる」

 赤坂は、影沼を励まし、断崖へと続く道を歩き始めた。

 二人は、デスノートを巡る、最後の戦いに挑む。

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