第5話 黒いノート
原生林での罠の応酬、夜襲、そして同盟。参加者たちは、それぞれの思惑と過去を抱えながら、極限状態の中で生き残りをかけていた。そんな中、島に新たな異変が起こり始める。
それは、一冊の黒いノートだった。
ある夜、集落跡地で物資を集めていた大野は、偶然、そのノートを見つけた。表紙には「DEATH NOTE」と書かれていた。
「なんだ、これは?」
好奇心に駆られた大野は、ノートを開いた。そこには、奇妙なルールが書かれていた。
「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」
大野は、その内容を一笑に付そうとした。しかし、ふと、ある参加者の名前が頭に浮かんだ。彼は、その名前をノートに書き込んだ。
翌朝、その参加者が死体で発見された。死因は、心臓麻痺。
「まさか…」
大野は、ノートの力を確信した。彼は、ノートの力を利用すれば、このゲームを容易に勝ち抜けると考えた。
一方、赤坂と影沼は、協力して高得点エリアである断崖を目指していた。彼らは、他の参加者との接触を避けながら、慎重に歩を進めていた。
「何か、嫌な予感がするわ」
影沼は、周囲を見渡しながら呟いた。
「どうした?」
赤坂が尋ねると、影沼は答えた。
「誰かに見られているような気がするの」
その時、二人は、地面に落ちているノートに気づいた。それは、大野が見つけたものと同じ、デスノートだった。
「これは…」
赤坂は、ノートを手に取り、中身を確認した。彼は、ノートの力を理解し、警戒心を強めた。
「誰がこんなものを…」
影沼は、不安そうに呟いた。
「おそらく、大野だろう」
赤坂は、冷静に言った。
「大野?なぜ?」
影沼が尋ねると、赤坂は答えた。
「彼は、このノートの力を利用して、ゲームを有利に進めようとしているんだ」
二人は、大野の動向を警戒しながら、断崖を目指した。
その頃、大野は、デスノートの力を使って、他の参加者を次々と脱落させていた。彼は、ノートの力を利用すれば、誰にも邪魔されずにゲームを勝ち抜けると確信していた。
しかし、彼の行動は、他の参加者たちの疑念を招いていた。
「大野、お前、何か隠しているだろう」
島野は、大野を問い詰めた。
「何を言っているんだ?」
大野は、平静を装った。
「お前が来てから、不自然な死に方が増えた。偶然とは思えない」
島野は、鋭い目で大野を見つめた。
「…証拠もないのに、勝手なことを言うな」
大野は、そう言い残し、その場を立ち去った。
島野は、大野の態度に疑念を深め、彼の行動を監視することにした。
一方、五十嵐は、デスノートの存在に気づいていた。彼は、ノートの力を利用すれば、このゲームだけでなく、世界をも支配できると考えた。
「この力があれば、俺は神になれる」
五十嵐は、狂気に満ちた目で呟いた。
彼は、デスノートを奪い、自分のものにしようと企んでいた。
ゲームは、デスノートの登場によって、新たな局面を迎えた。参加者たちは、互いに疑心暗鬼になりながら、ノートの力を巡って争奪戦を繰り広げ始めた。
赤坂と影沼は、大野と五十嵐の野望を阻止するため、そして生き残るために、デスノートを巡る戦いに身を投じていく。
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