別れた世界(パート2)
滝川れん
第1話元の世界に戻る方法を探す
別れた世界パート1のあらすじ
優二はある日異世界に迷い込んでしまった。そこでその国に災いが
迫っていると教えられ竜神を鎮める事になった。旅の途中で迷いの
森に入ったが何とか抜ける事が出来、またカナとも知り合い一緒に
旅するようになる。最後沼で竜神と戦う事になるが苦戦する。そこ
にマヤが現れ優二たちを助けて竜神を鎮める事に成功した。
別れた世界パート2
優二は元の世界へ帰る方法を探していた。しかし何の手掛かりも見つからず1カ月が過ぎていた。この世界にも随分となれたが、自分はまだ高校生で何も連絡もしないまま家を空けている事で、両親は“今頃、心配しているだろう”と、考えると何とも言えない気持ちになる。
成り行きとはいえこの国を救った英雄として祭り上げられていた。外を歩けばすれ違う人みんなが自分を知っていて何かと話しかけてくるし、ちやほやしてくれる。王様も“帰る方法が見つからないならここで暮らしていけばいい。生活は保障する。”と言っている。
しかし最初ちやほやされることに浮かれた所があった。それも時間が経つにつれてその環境に慣れてしまい、早く自分の世界に戻りたくて仕方ない。
いつも部屋に閉じこもって考えるだけではどうしようもないので何らかの手掛かりが有るかもしれないと国中を歩き回っていた。
そんな時、東の森を歩いていたら“あかね”に似た人物が向かいから歩いてきた。優二は驚きその人物が近づいて来るのを茫然と立って待っていた。
その人物は優二に近づくと
「ご機嫌用、優二さん。」と言ってすれ違ったが、優二は
「あの・・、すみません・・・。」とその女性に話しかけると、
「ハイ何か御用ですか?」と女性は、答えた。優二は
「はい、実は・・・」と言い掛けた時、何を言えばいいか迷ってしまい、
「・・・いえ何でもありません。」と言ってしまった。すると女性は
「そうですか、それでは、失礼します。」と言うと、歩いて行った。
その去っていく後ろ姿を追っていたが“このまま別れてはダメだ”と、その女性の家まで付いて行き、場所を地図に書くと、これでまた会う事ができるだろうと安心してお城に帰って行った。
お城に帰りつくとマヤに今日会った女性の事を聞いた。しかしマヤはそのような人物は知らないとの返事が返ってきた。優二はマヤが知らないことに少し違和感をおぼえた。マヤはこの国の事は殆ど知っているのに、その女性を知らないという事はその女性はこの国の人物ではない・・・?そんな事を考えた。しかしその女性が森の奥に住んでいるので、もしかしたらそのせいかもしれないと、勝手に納得してその日はそのまま休むことにした。
数日がたち優二は彼女の事が気に懸り家を訪ねる事にした。印を付けた地図を見ながら森の奥に入って行ったがそこには家は無く森が続くだけだった。優二は確かにここのはずだと何度も周りを探したが見つからなかった。
彼は不思議に思いながらも森を抜けようとした時村人と会った。彼は村人に森の奥の家の事を聞くと、村人は首を傾げ
「そこには昔から何もありません。きっとあなたの勘違いではありませんか・・・?」
と答えた。優二は“そんなことは無い確かに目撃したことを訴えたが、村人は首をかしげるだけでそのまま去って行った。
優二はこの国には何かあるのではないかと疑い出した。そこでお城に帰ると資料室で何か手掛かりになるものは無いかと調べた。しかしそれらしいものは見つからなかった。仕方なく部屋に戻ろうとした時執事が話しかけてきた。
「優二さん、どうしました?」
優二はこれまでの事を話した。しかし執事も
「わたくしには良く分かりません。」との答えだったが
「しかし北の山のアニカに仙人と呼ばれている人物がいます。その人物の名は“ダーゴ”です。もしかしたら何か知っているかもしれません。試しに行ってみられるのも一つの方法かと思います。」と言った。
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