白い部屋の約束
@kurea0607
プロローグ
病院の窓から見える空は、どこまでも白かった。
静かな病室、響くのは規則正しい心電図の音。
「ここから出たらさ、どこに行きたい?」
ある日、隣の病室の透がそう聞いてきた。
凛は少し考えてから、小さく微笑んだ。
「海が見たいな」
透も微笑み、天井を仰ぐ。
「じゃあ、退院したら一緒に行こう」
何の疑いもなく交わした、たった一つの約束。
けれど、その約束が叶うことはなかった――
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