第2話 「人手を増やしたい!」

「いらっしゃいませ〜!」

ギルドに貼り紙を作ってもらい店は前よりかは繁盛するようになった

だが…


「(た、体力が持たない…)」


私は魔法には強いが体力はまるで無い

普通の人なら家から10分の場所にある友人の家に行くのでさえ20分かけてギリギリ行けるぐらいだと言うのに…

このままだと過労死へ一直線だ

シアンにも頼もうと思ったが流石に宿の経営で忙しいだろうし何より申し訳ない


ということでバイトを雇うことにした

店の壁にもバイト募集の貼り紙を貼り付け志願者が来るのを待つ

「でも来るわけ無いよなぁ〜」

いくら前より繁盛するようになったといってもまだまだお客さんの数は少ない

ここは地道に待つしか無いのか(;´д`)トホホ…


チリン!


ドアの鈴の音と同時に店のドアが開いた

10歳ほどだろうかそこに立っていたのは小さな少女だった


「あ、あの…その…」

「ど、どしたの?」

何故かキョドってしまった

子供と話すのが初めての経験だからかもしれない

少女はそんな私のキョドりには気にもせずこう言った

「は…働かせてくだい!

「うぇ!?」

まさかバイト志願者がこんなに早く来るとは…

「ここで働かせてくだ…」

その瞬間少女は倒れてしまった

「だ、大丈夫!?」

私はとりあえず彼女を私のベットに寝かせた

少女は涙を流していた

一体どんな事を体験してここに来たのだろう

一体どんな物を見てここにいるのだろう

ボロボロの服がより一層私にそれを考えさせた

「うぅ…」

「あ、目開けた!」

「ここは…」

「大丈夫?君、突然倒れちゃって」

「ご、ごめんなさい…!今すぐ出ていきます…!」

「うあ…!?」

彼女はベットから立ち上がろうとした

しかしベットから落ちそうになってしまった

「危なっ!」

間一髪で彼女を支えることができた

そこで私は気付いた

彼女の体は12歳の女の子とは思えないほど軽く細かった

私はそっと彼女の体をベットに戻した

「こめんなさい…!ごめんなさい…!」

彼女は謝り続けている

「謝らないで、とりあえずなんか食べるもの持ってくるね」

「そ、そんないいでs」

グルルルルル

盛大にお腹がなった

「持ってくるね」

「…」

とりあえずお昼ご飯のスープを持ってきた

スープの入った皿を彼女に手渡す

「い…いいですよ…!」

「いいんだよ食べて、少し楽になるよ?」

私がそう言うと彼女は少しだ躊躇いをしたが勢いよくスープを食べ始めた

それと同時に泣き出してしまった

さぞお腹が空いていたのだろう


食事も終わりとりあえず私は話を聞くことにした


「えっと、まず名前教えてくれるかな?」

「ナディアっていいます」

「ナディアちゃんか、体調はどう?落ち着いた?」

「はい…ありがとうございました」

「ナディアちゃん、何があったか教えてくれる?」

「はい…」

ナディアはこう続けた

ナディアの出身はこの街ではない別の貧困街で生まれ育ち家族のためお金を求めてこの街に来たらしい

だがどの店も断られてしまい運良くバイト募集の張り紙を見つけ最後の希望としてここにバイトを申し込みに来たそう

「なのでお願いします!お金が…お金が必要なんです!ここで働かせてくだい!」


正直気が進まなかった

魔法というのは危険な物だ

扱いを間違えれば命だって簡単に奪う

子供も大人ももとから何もなかったように




「魔法は怖くない?」

「はい…!」

「少しだけ忙しいし危ないと思うけど大丈夫?」

「はい…!頑張ります!」

「よし!採用です!」


人手も足りなかったところだ

せっかく働きたいと言ってくれているし

ここには魔法のスペシャリスである魔女もいる

断る理由は無いね

「…ありがとうございます!。私、ここで働けること、本当に嬉しいです。ご迷惑をかけないよう、精一杯努力しますので、どうぞよろしくお願いします!」

「私からもよろしくお願いします!」

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魔女さんは静かに暮らしたい! 又旅 @13Lambda

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