魔女さんは静かに暮らしたい!

又旅

第1章 「安定した生活を送りたい!」

第1話 「魔法専門店を繁盛させたい!」

私の名前はベルテナ

どこにでもいる普通の魔女だ

最近困ったことがある

私は魔法専門の店をやっているのだが…


全くと言っていいほど売り上げが無い


というかマイナスに限りなく近い

何故だ…性能やデザインには全く問題はないはずなのに…


いうことで、私の(唯一の)友人であるシアンに助けを求めることにした

シアンは同じ街の宿屋の娘で元気だか落ち着いているという私の好きな部類に入る人だ

相談をするため、私は一ヶ月ぶりに外に出た

彼女の家は私の店から(常人なら)10分ほど歩いた場所にある


ということで20分後彼女の家に着いた

「ゼェ…ハァ…」

いくら体力がないからといって20分歩いただけでここまで疲れるとは自分でも思わなかった

息を整えシアンのいる部屋の扉を叩く

「はぁ〜い!」

2分後

扉が開き中からいつもより綺麗な髪のシアンが出てきた

風呂にでも入ってなのだろうか

なんだか申し訳ない気持ちもあったが

彼女は笑って出迎えてくれた

「どぞどぞ!座って座って?」

「ありがとう…」


早速本題に入った


「宣伝力が足りないんじゃないかな?」

と彼女は言った

「宣伝…力…?」

確かに、宣伝というものをあまりしてこなかった

「多分お客さんが来ないのは知名度が無いからだよ」

「知名度かぁ…どうすれば上がるのかなぁ…?」

「そうだねぇ…」

1分ほど考え込んだあとシアンは

「貼り紙をつくればいいんじゃない?」

と言った

「貼り紙?」

「うん!貼り紙でベルのとこの商品の良さをアピールすればいいんだよ」

「なるほど…じゃ早速ギルドで貼り紙作成の依頼してくるよ」

「いってらっしゃーい!」

「…」

「どしたの?」

「ギルドまで歩けない…連れてって…」

「筋力なさすぎでしょ…」


その後なんとかギルドに到着した

ギルドはこの街の中心にあり、仕事の依頼や報酬の受け取り、食事など様々な事ができる場所だ

ギルドには私も何度もお世話になっている

「こんにちは〜」

「こんにちは、今回はどのようなご要件でしょうか」

この人は受付のクラリスさん

シアンの知り合いで、よく私のわがままも聞いてくれる優しい人だ

「実は貼り紙を作りたくて」

「貼り紙ですか」

「はい、家のお店の宣伝がしたくて」

「わかりました。デザインは決まってありますか?」


デザイン…忘れてた


「…いえ」

「わかりました、ではデザインはお決めになられますか?それともこちらでお決めするというのもいかがでしょう」

「つまりギルドが作ってくれるということですか?」

「はい!ベルテナさんにはお世話になってますしここは1つ恩返しです」

まさかの誤算だった

貼り紙を作ってくれるなんて思ってもいなかった


「ありがとうございます!」

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