翻訳文
「俺が子供の頃にはなろう系と呼ばれる当時小説家になろうってサイトで流行ってた異世界転生、転移系の作品がそこかしこにあった。所謂なろう系 Native Generationというやつだ。」
『その発音やめて?鼻につくからさ。』
「ん?なんだって?native Generationの発音が鼻につくって?細かいことはいいだろう!んじゃ次、話すぞ。」
『もういいや』
「で、俺の世代はみーんななろう系ってやつを読むわけよ。例に漏れずこの俺もな。あそこは母数が多い分そこそこの数良作が混じってるから探すのも楽しかった。」
『宝探しみたいな?』
「そうそう!でも、ある時からなろう系が叩かれるようになった。あの時は正直少し肩身が狭かったよ。でも俺は読んで読んで読み続けた!大好きだったからな。真似もしたし、異世界はホントにあるって信じてた。だからいつか絶対に異世界に行ってドラゴンとかを倒してやるんだ!そう本気で思ってた。あとは異世界行ったらあれするこれするって妄想してはノートに書いて小説投稿サイトに投稿したりもしてたなぁ〜。」
『読んでみたい!』
「ん?どんなの書いたのか教えろって?ヤダよ厨二病拗らせたガキの妄想小説の内容教えるなんて!恥ずかしいし!だって本物を知ってるやつに響くわけないだろ?」
『ここみたいな君にとっての異世界が舞台だからこそだよ!』
「そういうもん?そんな俺も高校っていう義務教育9年間の後に通う場所で勉強するようになってからは年齢が上がったってのもあってできることが増えていろんなことをした。オカルト系の文献を読み漁ったり、自分の血で魔法陣書いたり、鳥とか山羊とかをお小遣いで買って生贄にしてみたりするわけよ。」
『それ普通に禁忌だよ?』
「え?マジで?まぁこの世界じゃないからセーフってことで。高校で3年勉強して、その後大学入って神秘学を研究して使える目処が立ってなかった異世界転移魔法陣の片手間に卒業論文っていうのを書いてたんだけど……今更だけど単語理解出来てる?」
『なんとなくならわかるよ。』
「分かってるなら良かったよ。で、その卒業論文用の研究の合間を縫って進めてた異世界転移魔法陣が
酔って薬品を試作の魔法陣にぶちまけたりゲロ吐いたりして落ち着いたら眠たくなったからそのまま魔法陣の上で寝てたらなんかよくわかんないけど上手くいっちゃってさぁ。で、ダンジョンコアに埋まる形で異世界に転移してきた俺は今君の友人やってるってわけよ。」
『僕たち運命みたいだね!でもいいの?本当は外の世界を冒険したかったんだろう?』
「良いんだよ、たしかにそういう思いもあるけど友人をここに一人置いていく訳にはいかないだろ?それにこういう異世界ライフも存外悪くない。そもそもどうやって外に行くってんだよ。」
『僕を壊すんだ!そうすれば僕は消えるけど君はコアから出られる。』
「友達を殺して冒険なんてしてどうするよ。行くならお前も一緒に行こうぜ!」
『君らしいや、そう言ってくれて嬉しいよ。』
自力で異世界転移したらダンジョンコアの友達になった話 結城 木綿希/アマースティア @yuuki58837395
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