短編 大図書館に眠る少女

奏流こころ

第1話 大図書館に眠る少女

 ぐっすり眠っている少女がここにいる。

 小柄で赤髪ショートボブ、ちょっとだけ頬がぷくっとしているが、けして太っているわけではない。

 ちょっとだけぽっちゃり、という感じだ。


 大図書館のど真ん中で眠っている。


 少女の名前はメアリー。

 24時間中12時間は眠る。


 のそり…そろそろ起きる時間のようだ。


「ん~~…あぁ!」


 叫び声が響き渡る。


「よく寝たなぁ」


 1つあくびをしてから立ち上がる。

 また伸びをして脱力。


「さて、仕事仕事」


 エメラルドの瞳が仕事モードへと変化した。

 大図書館の仕事は図書照合や依頼の資料集め。

 その他には本の補修、館内掃除。

 館内掃除はエリアごとにする。

 広いから全ては出来ないのだ。


「メアリー、おはよう」

「おはよう、サントス君」


 助手のサントスが来た。

 高身長で角刈りの髪形、キリッとした眉に似合わない優しい蒼の瞳。

 彼はメアリーの相棒であり助手。

 彼女の身の回りの世話や仕事の手伝いをしている少年。


「サントス君、資料集めお願い」

「かしこまりました」


 今日も2人で大図書館を守っているのであった。

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