プルルル
鈴暉ロイ
プルルル・まえがき
プルルルとは。
ベンガル語で『もしもし』 の意である。
この物語は、後世に
世界中に散りばめられている素晴らしき『名曲』の
未來王(ネオ・トレジャン)と、王に仕える
天界より降り注ぐサジェスチョンを受け取って解読し、コンプリートを目指す
このゲームの
【年譜】
ラビンドラナート・タゴール (1861-1941)
インドの詩人・思想家・作曲家・画家・教育者・予言者。
1861年 15(14)人兄弟の末っ子として誕生。
恵まれた家庭環境だったが、14歳で母を失う。
1878年 イギリス訪問、1年余りで帰国。
1882年 カルカッタにて精神体験・詩聖タゴールとしての芽生え。
家のベランダから朝日を眺める。突然、眼からひとつの覆いが落ち去ったように思われ、世界があるすばらしい耀きに浴しつつ、美と歓喜の波が四方に高まっていくのを感じた。
この瞬間、詩人の心は絶望的な『もの悲しさ』から遍照する光の中に出ることができた。そしてそれからというもの、日常のありふれた人や物も、みんな宇宙的意味に満ちた『全存在という大海の中の一つ一つの波のように思われる』のだった。
世界の中で『永遠』にふれたよろこび、時間の中に『無限なもの』が内在しているという確信が思想の基調となる。
1883年 当時のインドの風習慣習に従って結婚。
結婚相手は無学の10歳の少女、ムリナリニ。ムリナリニは夫タゴールに従ってよく学び、ベンガル語、サンスクリット語、英語もマスターする。
5人の子宝に恵まれた。
新世紀の始まり、タゴールは家族とともにシャーンティニケタンに移り、塾を設立。教育は狭い教室に閉じ込めて知識を詰め込むべきではないとの信念を抱く。子供たちを大自然の中において、自然を師とし、知性の発達とともに豊かな感受性を育てる全人教育『森の教育』を施そうとした。
1902年 妻ムリナリニ、29歳の若さで世を去る。
1903年 次女レヌカ、死亡。
1905年 父逝去。
立て続けに肉親を失う。人生の苦渋と悲哀、愛する者の死の苦悩から高い宗教的感情に昇華した『ギタンジャリ』へと繋がる。
1912年 イギリスに渡る。ベンガル語で書かれた『ギタンジャリ』を自ら英訳し
1913年 『ギタンジャリ』はアジア人(東洋人)初のノーベル文学賞を受賞する。
タゴールは終生、平和的活動を貫く。たゆまぬ平和的献身によってアメリカ、ソビエト、アジアの国々を訪れる。間近に近づきつつある戦争への危機、機械文明の脅威を説く。科学と機械は人間の文明に必要ではあるが、それらは人間に支配されるべきものであり、人間が機械の奴隷になってはならない、そう説いた。
タゴールは数度、来日している。日本政府は当初、姉妹国のノーベル文学賞受賞者であるタゴールの来日を熱烈に歓迎した。
しかし東京大学でおこなった講演は国民感情は一変させる。タゴールは日本人の勤勉さ、芸術性、礼儀正しさを
1939年 第二次世界大戦(~1945年)
1941年 タゴールはカルカッタの生家で80歳の人生の幕を閉じた。終生再婚することはなかった。
詩聖・タゴールは祈る。
時間と空間を超えて、有限なもののなかで『無限なるもの』にふれたよろこびを見失うことのないように……、と。
魔導師4人衆は、タゴールを
ギタンジャリ・63
おんみはわたしを わたしの知らなかった友らに ひきあわせてくれました。
おんみはわたしの家でないところに わたしの席をもうけてくれました。
おんみは遠くの人たちを近づけ、見知らぬ人を兄弟にしてくれました。
住みなれた家郷を去らなければならないとき、わたしの心は不安におののきます。
そんなとき、新しいもののなかに 古いものがやどっていることを、
そこにもまた おんみが住んでいることを わたしは忘れているのです。
生と死を経めぐり、この世でも あの世でも、
おんみが導きたもういずこでも、
いつも わたしの心を未知なる人たちに結びつけてくれるのは おんみです。
わたしの果てしない生命のただ一人の道づれ、
人、おんみを知るとき、一人として異邦人はなく、
ひとつとして閉ざされた扉はありません。
おお、わたしの祈りをききとどけてください。
多くの人たちとの触れ合いのなかで
(詩聖・タゴール)
死の刻印は生命の貨幣に価値を与え、生命をもって
ほんとうに貴重なものをかえるようにする。
わたしはいくたびもいくたびも死にましょう。
生が尽きせぬ 限りないものであることを知るために。
これをわたしの最後のことばとなしたまえ、
わたしはおんみの愛を信じています、と。
(詩聖・タゴール)
風がそよめき歌う。
波の音、川のせせらぎ、木々のさざめきが美しい
その
天界に響き渡る秀逸な詩歌、卓越した名曲、偉人の言の葉たち……。
微風が囁きかける。
それらの
《プルルル……、聴こえているかな? ついにゲームが始まるぞ! 我らはこの
《プルルル……、聴こえるか? 自分自身のことを『世間並みの常識人』だとか『人畜無害な一般人』であると
《プルルル……、聴こえるかァ? 滑稽さ(ユーモア)と知性を兼ね備えた幸運者は何人だァ? 俺たちと一緒に、遊ぼうぜエ? クロス》
《プルルル……、聴こえてる? 俺たちはさ、つまんない
学べば学ぶほど、自分がどれだけ無知であるかを思い知らされる……。
(アインシュタインのことば)
背後に悪意や憎悪があってはならない。
ただの見せかけは、堕落した卑しいものとなる……。
(ガンディーのことば)
それではそろそろ、物語の幕を開けるといたしましょう。
我らとともに旅をする『奇特な
サジェスチョンを解き明かす『
この
(ネオ・トレジャン)
プルルル……、プルルル……、プルルル……、プルルル………………
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