第2話 入学式
「わりい、まった?」
俺は、智との待ち合わせ場所につくとすぐにそういった。
「いいや?全然。だけど、時間まずいな」智は笑いながらそういった。
それもそのはず、八時五分まであと20分しかないのだから。今日の俺はつくづくついていないと思う。信号には全部ひっかかるし、歩道の段差でかごに入れてあった荷物が飛び出して転びかけるし、散々だ。
そんなことを頭の中で考えていると、智が「早く行こうぜ」と催促してきた。
おそらく、俺がこんなにゆっくりしているのが信じられなかったんだろう。
「ああ、急ごう」そして、俺達はペダルを漕いだ。
★
学校につくと、もうすでに大半の生徒たちが自分のクラスの位置に着席していた。
俺は急いで自分のクラスを確認して自分の出席番号のところに座る。
俺が座るのが早かったか、先生の号令が早かったか覚えていないが、とにかく間に合った。俺はマラソン選手並みに息を切らしていた。
「今から入学式を開式いたします、礼!」
明らかに教頭先生だな、という見た目の先生が号令をして入学式は幕を開けた。
「今から名前を呼ぶので、呼ばれた人は起立して、礼をしてから着席してください」
俺はめちゃくちゃ緊張していた。俺的にはこの所作でこの高校生活を左右するといっても過言ではないと思う。そんな事を考えているうちにどんどん番号が迫ってくる。まるで死へのカウントダウンのように、刻一刻と。
「17番、菅谷悠!」来た!
「ふぁい!」
★★★
それから、俺の記憶はなくなっていた。あのとき、俺は緊張して声が裏返ってしまった。とんだ、高校生活のスタートだ、思い返せば、朝に空奈と言い合っていなければよかったのだ。
教室の机で一人頭を抱えていると俺の一つ前の出席番号の四宮が
「あれ、サイコーだったね」と笑いながら言ってきた。
どこがだよ、おれは心のなかで思いながらも「そうかな〜?」と笑って誤魔化した
今後のためにもここで面倒なことを起こすわけにはいかない。
SHRが始まった。担任の松伊{カエル好きのため通称カエル}が部活登録についての説明を始めた。この高校では、入らないことは許されていないらしい。
そのことを聞いた男子生徒が「マジかよ〜」と驚愕していた。
俺は、もともと剣道部だったが、あまり好きではなかったし、高校では文化部でもいいかなと思っていた。
「部活動への見学は今週中にやっておくように?いい?」そう先生が言い残し、
SHRは終わり下校になった。
「結局、今日は友達できねえし、みんなにからかわれただけか…」
俺は少しがっかりした。高校では人気者になって彼女をつくるはずだったのに…
「まあ、いいか」すこしがっかりしながら歩いていると遠くから智がやってきた。
何やら言いたげな顔だ。
俺がどうした?というよりも先に「明日テストらしいぞ!!やばくね?!」と言ってきた。そういえばさっきもそのようなことを先生が言っていた。俺は何も勉強していない。俺は思い出したかのように「やっべ!そうだった!早く帰ろうぜ!」
というと俺達は駐輪場まで駆け出した。
True love ~出会いは唐突に〜 わさー★ @ysard
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。True love ~出会いは唐突に〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます