詩
もうやめなよ
最初で最後かもしれないけれど
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本家は知らない
貴方がいつも歌う曲
本家は知らない
貴方がいつも歌う曲
そこで上がるキー かかるビブラート
正解は分からないけど
貴方がいつも歌う曲
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あの子を模したわたしを褒めないで
曖昧を享受する 不安を募らせてく
痛みの数ほど賢くなれる まだ上手くやれる
馬鹿のふりじゃない 本物の馬鹿です
私の価値を決めるのはいつもあなた
微睡み 温もり 偽り いっそ無に返して
胸の痛みを恋だと思える幸せな脳にキスして
前髪邪魔で目が見えない 涙で濁って夢みたい
か弱さとか純粋さとかいらない 全部汚して
いいから汚して
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裏路地風切る黒猫の
見透かしたような瞳に何故か惑う
私は悪くないのに許しを乞うた情けなさ
引っ掻き傷の多さだけ 正しい順路を忘れる
ひどく惨めな私を ボロ布の私を
苦しくなるくらい強く抱き締めて
小さな背中にキスをして
優しくしてね わたし弱い子だから
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貴方が教えてくれた曲も
褒めてくれた香水も
街中に溢れすぎている
息を止め耳を塞いだところで
まぶたの裏にいつもいる
悲しくは無いけれど虚しい
苦しくは無いけれど切ない
誰にも言えない秘密のキス
何も素敵じゃない何も綺麗じゃない
矛盾だらけの秘密のキス
ただのおままごと ただの紛いごと
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分かったつもりでいた
世界の惨さ(むごさ)と不条理
なのに1つも分かっていなかった
自分が主人公だと思っていた
若さ故の過ちだと託けて頭の悪さを露呈する
眠りから覚めたら全て終わってて欲しい
私はもう疲れた 抵抗も 反証も
悪いことはせず真面目に過ごしてきたが
責任感に欠ける人生だったかもしれない
それがいけなかったのでしょうか
どれを間違えたのでしょうか
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言葉の端々に証拠を残して、陰影をつけて、逃げ道を作る
だからいつもこうなる
誰の気にも触れずどうとでも解釈されるような普遍的で包括的な自分であることが正解だと思っている
文学を学ぶと言葉数が増える 言葉に身を隠せる
もう知恵はいらない 左脳を溶かして
脊髄反射で生きていたい
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色付いて 重なり合い 模様になって
規則正しさがポリシーの君
あたしだけ少し曲がってみたいな ごめん嘘です
タータンチェック 淡々チェック
ただ単ギーク タンタカ タンタン楽しいね
タータンチェック 段々シック
弾丸ディープ タンタカ タンタン ほっといて
▹︎
俺この曲Cメロが好きなんだよね
とかいう男に騙されない
俺のお気に入りはカップリング
とかいう男に騙されない
逆立ちフラミンゴ 結局一緒 みんなと一緒
そんなやつは大抵眠気を理由に理性を殺す
アバンチュールな恋でしか重い腰が上がらない
まだお前はご飯に旗刺して喜んどけばいい
▷
砂場でお城作ってるみたい
壊す前提の歪さがあるよ
おうちごっこ いたちごっこ
いつまであたしはお留守番
積木くずしのテクニシャン
忍法使って空飛びたい
もういいかい もういいかい
もう、やめにしてもいいかい
まだだよ まだだよ
まだ、このままでいたいんだよ
詩 もうやめなよ @5hanl0v
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