僕らの解け

月見トモ

問1.問2



 僕らの解けは、ある日突然やってきた。こんなにも呆気ないものだろうかと、冬空に空虚さを放ったが、それはやがて雪となった。


 問1.僕は誰が好きなのか


 その日、僕は同じクラスの安宮砂都やすみやさとが学校の最寄り駅の書店で立ち読みをしているのを見かけた。耳よりも高い位置で束ねられた艶髪と、頬っぺたの薄づきの桃色チークは、いつも何処か大人びて見えた。

 彼女が読んでいるのは、遠目で見るに大学の参考書。勉強が嫌いだから卒業後の進路は就職にすると意気込んでいた彼女が、何故。

 疑問はあるものの、少しちょっかい出してやろう。僕は気づかれないようにそっと後ろに回り込んだ。が、彼女の勘は鋭い。

「何してんの」

 振り向いた彼女が冷たい視線を僕に向ける。

「え、バレた、なんで!?」

「人のいない本屋で、ずっと視線感じるんだもん。そりゃバレるよ」

「なんだよもう……息潜めてたのに」

 少し残念に思った僕は大袈裟にいじけた振りをした。

 そんな僕の姿を見て彼女は眉間に皺を寄せ、十数秒ほど僕をじーーっと睨んだ。そしてその後くしゃっと笑った。その笑顔に、僕の胸は幾度となく高鳴ってしまう。

「よりによって床澤とこさわに見られてたのなんか嫌なんだけど笑」

「は? なんで?」

床澤とこさわすぐに私の事馬鹿にしてくるし」

 そう言って、彼女は僕の肩をペシっと叩いた。じわじわと広がる微々たる肩の痛みと、フローラルな柔軟剤の香りが僕の鼻をくすぐった。


 問2.彼女の進路変更先は


「就職希望じゃなかったの」

 そう問いかけると、彼女は肩をビクッとさせ、持っていた参考書がドサッと床に落ちた。

「ちょ、静かにしろよ」

「床澤が驚かせたのが悪いでしょ」

 彼女は物音を立てたことへの謝罪なのか、周りをキョロキョロとしながらすみませんすみませんと腰を下ろし、本の表紙の汚れを払った。

「……旧波桜きゅうはざくらの大学に行くことにしたの。私の偏差値じゃ今から勉強しても、もう遅いかもしれないけど」

「へぇ……旧波桜って、そこそこの難関大学だよな確か」

「無理だって言いたいんでしょ。わかってるよ」

「そんなこと言ってないだろ。むしろ頑張るなら応援するけど、でもなんで急に?」

 僕が質問を投げかけると、彼女は少し口をもごもごとして、視線を参考書に落とした。

 僕は何故か嫌な予感がして、思わず彼女から目を逸らした。






 問3.問4に続く))))

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