探求者-ファーストオピニオン (縄文・弥生時代を生きていた僕は寿命無限の人間。この力を使って皆と協力してこの集落を大きくする。)
相対度数
第1話 誕生日
縄文時代末期、僕は母の腹から産まれた。
それはもう壮絶だったらしい。
母は旅をした。どこへ旅にいったのかは分からないが、ひとつだけ若い自分でも分かることがある。
もう帰ってこないと。
____________________
父「なぜ……、なぜ…、!?おい、しっかりしろ!!しっかりしろソイネ!!」
母「は…はは、久しぶりにそんな風に呼んだね。いつもは"ソイちゃん"と呼ぶのに…。」
彼女はふざけたように言う
父「そんなこと言っている場合じゃない!早く血を止めないと……
麻で……いや無理だ…ああ、どうすればいい、神様…。」
当たり前だかこの頃は高度な知識をもった医師も助産師も看護師もいない。このような状況になってしまうと待っているのは死だ。
母は最愛の父にお願いをした。掠り声になりながら言った。
母「ねぇ、ソオキ。私のお腹を切って。」
え……。
「お願い……、私の一生のお願い聞いて…」
父「え…」
父は戸惑った…しかし、このままでは子供もろとも死んでしまう。
だから……
父「……分かった。」
ザク、ザクザク、ザクザクザク
父「ぐ……ァァアアアアアアアアアア…ギィ…」
(苦しい…苦しいよ)
赤い液体が地面へ吸い込まれていき、近くにいた蟻は濁流に飲み込まれるようにして、消えた。
父「………」
「早くどうにかしなければ」
____________________
私を抱えて父は走った。夜が明けないように。
彼は集落の長がいる住居へと赴いた。
なぜか?
まず、一つは大抵の問題を解決する役割であること。もう一つはその集落の長がとてもつもない力を持っていたからである。
父「集落長!!」
長「な!なんだ!?ってソオキくんか。いったいどうした、
………………なるほど。」
見た目は50代くらいの男性で、羊より白い髪をしている。
彼は血だらけの赤ん坊を見て、察したように口を開いた。
長「かしなさい。」
そういって彼はなんなかのパワー??を込めた。彼の目が光り、力を肌で感じる。父は何が起きているのかは理解ができた。ただ、少なくともこのパワーとやらは大抵の人には理解ができない。父のような"限られた人間"でなければ。
カップラーメンの
赤ん坊はすやすやと眠り、血の流出は止まっていた。
長「終わったぞ。命に別状はない。家に帰って面倒をみておきなさい。」
父「おお…!よかった……でも……」
父は母を守れなかった。そのような状況ではまともに面倒を見れられないかもしれない。それを察したのか長は…
長「今日は妻を供養してやりなさい。(今日は赤ん坊の)面倒は見る。」
父「いいのですか?」
と顔を上げながら言う。
長「ああ」
父「ありがとうございます。この恩は忘れません。」彼は深々と頭を下げた。この時代はそのような礼儀作法があるかは分からない。しかしこの作法は長が決めたらしい。
長「気をつけてね。」
その言葉を聞いたあと、父は元気でない足取りで帰っていった。
長「大丈夫かな…ソオキくん。」
彼は心配そうに父の後ろ姿を見つめる。その後彼は赤ん坊を抱え、その子のための寝床を作る。
いつも通りだった。何しろ、子供のお守りはこれが最初ではない。集落長に就任してから何人も赤ん坊をみてきた。そして解決していった。今日は突然だったが、今まで通りやればいいと高を括っていた。
その時だった。
オギャーオギャーと集落長の手の中で暴れる。産まれてからまだ間もないのに。
長「なっ…!?ちょっと暴れたら…。え?」
赤ん坊が光っていた。いや比喩ではない。本当に光っていたのだった。
長「まさか…!?この子も私と同じ、
"番号人間"……!?」
_______________________
それからというもの、母の死により儀式が行われた。死んだものを供養するために行われるものである。死因は出血多量だ。あと母は元から身体が弱かったと父はそう言っていた。
母と関わりが深かったものは泣いていた。
「なんで死んだの……」
「よく頑張ったなぁ……」
「まだ若いのにねぇ…」
「………………
く……おやすみ……ソイネェ、、、、」
もっと喋りたかった、もっと関わりたかった、そのような思いが雪のように父親に積もる。
死ぬことは一人の問題だけではない。死によって誰かの心も死にかけることもあるのだ。
それは人間である以上、偶然必然の内容関係なく起こり得ることだ。
長「………。」
(なあソオキくんの妻よ。あの子はいったいなんなのだ?)
_____________________
15 年後…
「ねぇ、まだか。」
「いーや、まだ。」
??「楽しみだぁ。」
森の中で三人の集団がいた。
彼らは続けて会話を行った。
「なあ…もういいんじゃない
「まだだって、辛抱しろよ。」
………少しの静寂が訪れた。しかし、
「今だ
ヒュルんと矢が飛び、獲物に刺さった。心臓である。
獲物の名前はシカである。
獲物は無言で走り出した。
「おい!逃げてしまうよ。」
と一番若い者が言う。弓を射った者は大丈夫だ、と言った。
シカは急激に速度を落とし、おむすびのように転んでしまった。シカは立とうとしたが、叶わず地に伏した。
心配をしていた者は納得した。
「はぁーなるほどな、急所を射たれたとしてもすぐには死ぬことはないのか…。」
弓を射った者は
「そうだな。まあお前は子供だから分からなかったかぁ!」
と挑発するように言った。
「うるさい!子供じゃない!隼人と2年しか違わないのに!」
隼人「ははっ、悪かった悪かった!」
??「まあ、隼人は経験を積んでるからなぁ。あんたと比べたら子供みたいなもんよ。」
「でも、子供扱いはひどいです!」
頬を膨らませながら言った。
??「まあ、アワは12歳だ。まだまだ子供だぁ。見て、ちゃんと覚えろよぉぉ。」
上がった口調でいう。
アワ「くぅ…絶対に見返してやる!見てろ!」
隼人「おうおう!楽しみにしといてやるよ。」
??「なんだかんだいって、いいライバルじゃないかぁ?」
アワ、隼人「いいライバルじゃない!(否定)
ですね。(肯定)」
(シンクロ)
______________________
??「いや〜まあまあデカいもの採れたなぁ!すげぇよ。」
隼人「いやぁありがとうございます//。キグレさん。//でもまあシカ一匹だけだったんですけどね/。てか一匹しかいなかった。」
↑(ほとんどダジャレである。)
彼は少し照れた。
一方アワは…
アワ「…………。」
少し不機嫌である。
キグレ「………」
キグレ「アーーーーーーワ!!あんたもすごかったよぉ!いろんな植物取ってくれたし!シカの解体をしたときも手際が良かったし!気遣いがあるねぇ…!」
アワ「……ふっ、そ、そうですかありがとうございます//。」
嬉しそうである。
隼人、キグレ「チョロすぎるやろ、、。
でしょぉ、…。」
二人は「はぁ〜あ」と半分呆れている。
キグレ「まぁ"今日は特になにもなかった"からオーケィィ。」
隼人「そうですね。………キグレさんちょっといいですか?」
肯定しようとしたらなぜか、疑問が出てきた。おとといの出来事を思い出したからだ。
キグレはなに?と言った。
隼人「おととい……まあ太陽が2回沈んだ前のことなんですけど、猟師仲間が死んだことなんですけど、おかしいところがあるんですよね。」
歩きながら頬杖をついて言う。
キグレ「?なぜその話を?急な話題で疑問符がついたが聞こうかぁ。」
アワ「なんでその話を今さら?たしか〜えーと綺麗に斜め3本線の傷がついてたやつ?」
ミ←こんな感じ
隼人「あいつの傷を見て思ったんです。切り口があまりにも綺麗だということを。」
隼人は考察を続ける。
隼人「どう考えてもあの切り口は武器によるものだ。動物の爪などではあんな綺麗に切れない。ましてや、こんな横方向3つに斬ることは難しい。だがしかし、黒曜石でできた石器ならあのように綺麗に切れる。」
黒曜石は現代のメスと同等もしくはそれ以上の切れ味がある。-ただ力任せに割った-、❲打製石器❳だろうととてつもない切れ味を誇る。
アワ「黒曜石?なにそれ」
↑隼人「あまちゃんがよぉ」
キグレ「シカを解体したときに使ったじゃーん。」
アワ「えぇーでも、あの石脆いじゃん。叩きつけるとすぐ割れる。」
隼人「だからこそだ。人体なんて力を入れなくても血を流すことができる。切れ味の力をなめるなよ。まあ、確かに腕(技術)がないとすぐ割れるだろうな。」
(いや待てよ、)
隼人「キグレさん、僕のいる集落と他の集落の友好関係ってどうなっています?」
キグレ「ほとんどは良い方はだけど、一つだけ険悪だねぇ。」
隼人「キグレさん、アワ呼ぶ時に大きい声出しましたよね?」
キグレ「うんそうだね、ぇ、、、、」
キグレと隼人は冷や汗をかく。いやな予感がしたからだ。
隼人「この森シカ一匹しかいないのっておかしくないですか?」
キグレ「………うん。」
アワ「ん?人の足跡がある。なんか大きい?他に猟に出ていたひといたっけ?」
……………
…………………………
「死 ね」
隼人、キグレ「やばい!!」
隼人「アワ!!」
アワを庇うために走った。メロスのような速度で。
アワ「え??」
目の前には右には隼人、左は知らない男が刃物を向けていた。
刃物にはアワの顔が映し出されていて、まるで白雪姫の2番目に美しい人ようだった。
「鏡よ鏡。次に死ぬのはだーぁれ?」と
ザシュリと隼人の背中を掠める。間に合った、よかった、と安堵する。
しかし、安心するのもつかの間であった。
男はもう一発攻撃しようとした。
キグレ「させない!!」
キグレは男を少しだけ押し飛ばした。
「………、死ね…。」
ダメージはゼロに近かった。
キグレ「逃げよう!」
隼人「はい!いくぞ、アワ!」
アワ「へぇ!?う、うん…。」
三人は男に背を向けて走った。方向は我らの家である集落である。
しかし、
「…………。」スッ
男は刃物を持った手を振り上げ、
「うおらぁ!!!」
刃物を三人に向かって飛ばした。 まるで彗星の如く速度であった。
それに当たってしまったのは
キグレ「あ、死…」
キグレだった。
当たった瞬間
背中から沈殿したケチャップのように血が溢れる出した。
キグレ「ぐぁ、」
大声も出さずにそのまま地に伏した。
隼人「キグレさん!」
すぐさま気づいた隼人はキグレの前に立った。
なぜかというと男からキグレを守護するためである。
「………」
隼人が男の目の前に立った刹那、男の動きが止まった。
隼人「………」
キグレ「く………。」
キグレは"少し"苦しんでいる。
隼人(どうしようか…このままでは戦う羽目になってしまう…)
人と戦うことがなかった隼人はこのような状況に戸惑っていた。
そんな状況の隼人を見たアワは彼の行動にさらに戸惑っていた。
アワ(なにをしているの、?なんで攻撃しないの!?)
キグレ「何をしているんだぁ、隼人…はやく、アワを連れて逃げて…」
小声で隼人に伝える。
隼人「…、」
隼人「話し合おうぜ、敵さん」
彼は人に攻撃したことがない。だから話し合いでなんでも解決できると思っている。相手は刃物を持っているのに。人を刺したのに。
「…………。」
隼人は口を開いた。さて、何を言うのか?
隼人「あんたに何が気に食わなかったのかはわからないが、出来ることなら何でもやるッッ!だから僕達の命だけは勘弁してくれ!」
口から出たのは命乞いである。相手は先程殺意を持って死ねと言い、殺意をもって刃物を振り下ろしたのに。
隼人(……あーーだめかもしれない。)
その時、男は口を開いた
「お前が住んでいる集落の長とお前の父の名前を教えろ。」
隼人「え?…」
アワ「ん??」
不思議な要求をする男。なにか裏があるのかと隼人は考察する。しかし、何でもすると言ったので要求を飲んだ。
隼人「えーと、集落長は
「ッ……!」
少し、男は驚いた顔をした。
隼人「父の名前はソイネとい
「やはりいい。この世から
隼人「は、
その言葉を聞いた刹那、刃物は眼前までに迫っていた。
男は猫のように、最初からトップスピードで近づいた。
隼人はその時、一瞬だけ目の前に死んだ母が映った。あ、終わったと…
「!??なに!?」
男の攻撃は空をきった。男は足の違和感に気づいた。その下には…
キグレ「話しに夢中でで気づかなかったぁ?馬と鹿さん。」
キグレがいた。
「!!?」
隼人「な!?キグレさん!?」
キグレ「おりゃあぁぁぁぁ!!」
「!!???うわっ!」
キグレは男の足を全力で引っ張り、転ばせた。
キグレ「隼人!!」
隼人「え?…あ!くっ……はい!」
男が倒れた瞬間、隼人は拳を振りかぶった。
コンビネーションアタックだ。
隼人「当てる!」
しかし、隼人の拳は空を切った。いや、男がキグレの手を振りほどいて避けたのだ。
隼人「やってしまった…。」
彼はチャンスを無駄にしてしまったと後悔する。
悪いニュースは男が避けたこと。
しかし、いいニュースもある。男と隼人らの距離を離すことに成功したからだ。
「ちっ、小癪な手を…!」
唾を吐き捨てるように男はいった。相当頭に来ているようだ。
隼人はとりあえずキグレに謝った。
隼人「すいません…。僕が日頃から人を殴ってないから。」
キグレ「いや、発言が物騒すぎるよぉ!でもいいよいいよぉ!!距離を離したからぁ!このまま逆転しよぉう!」
キグレは隼人を鼓舞する。アワにはこういった。
キグレ「アワ。今のうちに逃げて。私達の集落なら安全だから。そして、このことを急いで集落長に伝えて。」
アワに逃げるように伝えた。
アワ「え…でも二人は?」
隼人「安心しろ。生きて帰ってくる。」
キグレ「そうだよぉ、私は強いよぉ。」
隼人「私はってなんですか!僕も強いですよ!」
隼人は笑いながら言う。
キグレ「アーーワ。あなたにはまだ成長できる。私はもう成長止まっている歳だから、あなたは生きて。」
隼人「もう!何を言っているんですか?まるでこれから死ぬみたいに。」
冗談半分で言う。だが、隼人も死ぬ覚悟はある。先程の攻撃で死にかけたからだ。
「おい、先程の命乞いはどうした?」
隼人を煽るようにして言った。
隼人「どうやらあんたは言葉は通じても、話は通じないようだから………戦うよ。」
隼人は五階建てのビルから飛び降りる覚悟ができたようだ。
キグレ「……いくよぉ隼人。」
キグレ(せめて…隼人とアワだけは生かさないと…)
キグレも覚悟ができた。そして大声でアワに向けて言った。
キグレ「アワ逃げて!!」
「ちっ…」
やつはアワを追おうとするが、二人に妨害された。
隼人「相手は」
キグレ「私達だ!!」
「はは………」
男は堪えるような笑い方をした。いや…嘲笑に近い笑い方か?
隼人「?」
キグレ「ん?」
「はは………はっはっ!
はっっははははっははっははははははははははははははッ!!!!!!」
男は堪えていた笑いという水が決壊した。
「まさかっ!!ガキと女一人で俺に勝てると思っているのか?!!?」
シ ュ ン
男は刃物を投げたが、それは二人の方角ではなかった。外したのだろうか?
キグレ「まさか刃物を飛ばしただと、あ、危ない!」
アワ「はぁはぁ早く逃げ……あ…
あぁ?あ!アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
外してなどいなかった。アワの足の太ももに正確にぶっ刺っていた。
アワ「い……痛い…」
12歳の鮮血が流れる。全くと言っていいほど混じりっけのない、赤ーーいものであった。
隼人「嘘だろ!?こいつ自分よりひと回りも歳が離れた子供に2度も攻撃しやがった!!」
彼は戦慄する。こんなことをする男を。
しかし、それでも挫けなかった。
隼人(投げたのなら!刃物は持ってない今がチャンス!)
隼人は猪が如く突撃した。
「それを待っていたんだよ。」
その発言をした瞬間キランと光ったものを出した。それはあの忌々しい黒曜石の刃物であった。
隼人「なにっっ!?」
「死ね。」
ザクンンンッッッ
隼人「あ…あ」
男は隼人の横腹を切り裂いた。
隼人は地面に伏せてしまった。某ゲーム風にいえば、目の前が真っ暗になったと言ったほうがいい。
キグレ「アワ!!隼人!!」
キグレは大声で呼びかけた。
キグレ「そんな…」
「もう終わりだ、お前もこの世から消え失せろ。そうだ、死に方を選ばせてやろう。いまから二つの内容を言う。」
彼は笑いながら言う。しかし、その目の奥には相手を完全に見下し、殺意に満ち溢れている。
キグレ「……。」
「抵抗して斬り刻まれて死ぬか、降伏して野生動物に食われるか選べ。」
あってないような二択だ。完全に殺しにかかっている。
キグレ「……。」
「どうあがいてもお前も、そのゴミどもも死ぬ。地獄にでもいって仲良く団らんしてな。」
キグレ「…………ねぇ。」
「……あ?」
キグレ「何お前が私"達"に指図してんの?」
その瞬間男に向かって拳が飛んだ。
パチン!!
掌と拳が合わさる音がした。
「……ほぉ、なるほどなるほど。」
男は攻撃を防いだが、不機嫌である。自分の指図を聞かなかったからだ。
「調子に乗るなよ。」
高速の右の刃物と、左フックが飛ぶ。キグレの顔面を砕く勢いで殴った。
キグレ「ちぃ!!」
攻撃はしゃがんでよけた。そのままあごにアッパーを仕掛けようとする。
しかし、
「おらァァァ!!」 キグレ「ぐわぁ!!」
bagooooooooooooon!!!!!
男の足がキグレ顔面に当たり、顎を粉砕した。
キグレ「がっっっだ、ぐぅ……れ!」
キグレは苦しそうにもがく
「はは!死ねぇぇぇぇ!」
刃物でキグレの首を切ろうとした。しかし、キグレはまだあきらめなかった。
キグレ「へへへぇ…相手の足を見てよぉ。」
「は?ぐわぁ!」
キグレは手で自分の身体を浮かして足をシャチホコののうにして蹴った。現代風にいうと卍蹴りである。
身体を反転させた勢いで相手に蹴りを与える技。ある能力漫画の主人公が使ったと言われる。
「くそ……」
攻撃でふらつくが意識は保っていた。全然立てていた。
しかし、キグレは違った。
キグレ(あの蹴り効いてないように見せたけど、あきらかに顎の骨が砕けている…。あの男の蹴り、まだ全力じゃない。私の蹴りは技も使って、全力でうったのに。)
拮抗しているようで確実に追い詰められている。力では男性が有利で、キグレは女性だ。確かに女性でも力は強い人はいる、キグレもその一人だ。しかし、力の強い男性には明らかに負けてしまう。性別の差というのは残念ながら大きい…。ダメージは与えられているがこのままいくと、負けてしまう。なにか逆転できる要因がないといけない。
「この女小癪だなぁ。さっさとくたばれよ。」
税金の催促のようだ。
キグレ「さっさとって…まだ一分もたってないでしょ。はぁ…はぁ…」
「一分?なんだそれは」
キグレ「あなたには知らなくていい言葉よ。」
「へぇ、もっと殺したくなった。」
男は再び刺そうとした。
キグレ「くっ…またあれか」
隼人を殺そうとした猫のようなトップスピードである。
キグレ(どうやって対処する???やばい!どうしようこのままでは死んじゃう…。)
黒曜石の刃物に触れてしまったら、大量出血には逃れられない。
男(よし、いけるぞ…)
「さぁ赤ーーい血ぶちまけろや!」
どんどん近づいてくる、男。キグレに待っているのは死である。
キグレ「あ……死んだ…ごめん。2人とも。」
キグレはここで死を覚悟してしまった。相手を打ち倒すための覚悟は死へと変わってしまった。このまま彼女は
地獄へ一番乗りとなってしまった…………………
……………………………………………………………
『キグレさん!!!まだです!!』
どこから声が聞こえていた。ああ、走馬燈かと彼女は思っていた。
隼人「キグレさん!!!」
キグレ「はっ!」
キグレは現世へ戻ってきた。そこで見たのは隼人が男を殴っていた光景だった。
「ぐはぁ!!!!!てめぇ!生きてやがったか!」
男は遠くへ飛ばされ、体勢を崩した。
アワ「隼人??いきて…いたの………?」
アワは苦しそうだが辛うじて生きている。
隼人「当たり前よぉ!猟師をなめんじゃねぇ!」
キグレ「ああ…隼人…」
キグレは泣きそうになる。生きてくれたのだ、助けてくれたのだ、信用している後輩に。
隼人「泣くのはまだですよ!戦いはこれからです!」
今度は隼人がキグレを鼓舞した。
キグレ「………うん!行こうかぁ!!」
キグレはいつもの口調を取り戻せた。
隼人、キグレ「さぁ行くぞ!!!」
キグレ(てか、なんで生きてたんだ…あの状況で…。きっと、"神様が助けてくれた"《何らかの力》に違いない!)
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