男なんてみんな同じと思ってたけど、どうやらこの世界は違うようです

moca

第1話

私が男性を嫌いだと感じたのはいつが最初だっただろう


父親を含め、全ての男性が嫌い。近づかれると体は強ばるし鳥肌が止まらない


当然父親への信頼とかそういった感情を抱いた事もない


別に物語にあるよくある不幸な家庭だったわけじゃない


だって孤児でもないし、両親揃ってるし、母は専業主婦で父は夜7時くらいには大体仕事を終えて毎日帰宅するし。

むしろ毎日昼にまで帰宅して家族揃ってお昼ご飯を食べるくらいだったから、世間一般的に見たら家族で過ごす時間は多くて仲が良いように見えたかもしれない


だけど父が帰宅することを喜ぶ母の顔を見た事はないし、むしろ父の帰宅時間が迫ると憂鬱そうにため息を吐いて愚痴を零すことも多々あった


存在が近かったからこその嫌悪感だったのか…


まぁ、他人から見たらもしかしたら贅沢な悩みに見えるのかもしれない

むしろそんなに家族を大切にしている父親を嫌うなんて酷い娘だと。そう思う人もいるかもしれない


それでも私はとにかく父親を含めた男性全てが嫌いで嫌いで仕方がない


こればっかりは、可哀想とかそんな事を言われても私自身どうしようもできない


とりあえず、母親が父親の事を嫌いな素振りを見せる環境で私に父親への愛情を育めというのは無理だった。それだけの話


1番身近な男性…父親を信頼出来ない私がそれ以外の男性を信頼するのもまた難しかった


そして不運な事に、私の身近な男性は父親を含め皆粗暴で女性をモノのように扱う人ばかりだった


それは国民性なのか時代なのか、、はたまたただの地域性だったのか。

狭い世界を生きていた私には分からないけれど、毎日が息苦しいとそう感じて抜け出すことばかりを考えてた


と、いうのが今までの私の話


でもさ?


眠って目覚めたら目の前が森ってどういう事?


あぁ、明日もまたしんどい1日が始まるんだな。ずっと夢の中にいたいな。確かにそう考えながら寝た


これ、、、夢かな?


新鮮な緑の匂いを胸いっぱいに吸い込みながら、喜んでいいのか危機感を持つべきなのか思案する


いつからここに居たのか分からないけど、眠ってたくらいだし安全な気もするけど


けど森って刺されたらヤバい虫とか居そう…


と考えたら、なんだか全身が痒くなってくる不思議


なんだっけ??マダニとかいうのに刺されてたらヤバいんだっけ?

とりあえず全身掻きながら本当に虫刺されみたいなものが出来てないかを確認して、ホッと一息



っていうか、目が覚めたら森とか異世界転生のテンプレみたいなやつじゃない!?


そしたらまずは気にするのはマダニじゃなくて、もしかして魔物とかそういう系だったりする??


なんとなく夢っぽくは無さそうなこの非現実的な出来事にまだ頭はついていかないけど、こういう時どうしたらいいんだっけ?


《ステータスオープン!》


とりあえず心の中でテンプレならと思って唱えてみた

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