第9話 昔ばなしの桃太郎の話を考えたら変な方向に行った話

 何で桃太郎は鬼ヶ島に行くんじゃろうか?


 これを考える人は少ないかもしれんが、ワシは考えた事がある。


 考えてほしいんじゃが、鬼は鬼ヶ島に住んでいる、これはは間違いない。しかし勝ったからよかったものの、なぜ桃太郎はわざわざ敵の本拠地に乗りこんだんじゃろうか。


 それも犬猿雉を連れた四人だけで、あるいは一人と三匹だけで。桃太郎は自分の力に自信があったのかもしれんが、やはり理由はさっぱりわからん。


 ところで関係ないんじゃが、雉は鳥ではなく雉なのに、何で犬と猿は品種では無く犬や猿と出ているのかのう?


 それはまあいいとしてワシが思うのは、なぜ待ち伏せや罠などの策略を使っていないという事じゃ。


 鬼が町とか村とかを襲っていたというのは間違いないんじゃろう、だから桃太郎は鬼退治に行き、爺さん婆さんは応援したんじゃから。


 しかし鬼が襲いに来るのが分かっていたのじゃから、まずやるべきは各個撃破だと思うんじゃよ。何しろ一人と三匹だからのう。


 しかしそれをしなかった、それは何故か。ひょっとしたら桃太郎が鬼を退治したのは、詳しく知られるわけにはいかなかったのやもしれん。


 つまり人々を襲う『鬼』はで人間の事、それも人々を襲っても許される人間じゃという可能性は無いのじゃろうか?


 桃太郎が何時代の物なのかは忘れたんじゃが、少なくとも身分制があった時代なのは間違いないんじゃ。出てくる人の名前を出せなかったから別の呼び名として『』を使った、これは江戸時代に耀事もあるらしいので、同じ事だという可能性はゼロではないのかもしれん。


 こうなると鬼ヶ島も島ではなく、『』と呼んでいた可能性が出てくるわけじゃ。


 という事はじゃ、『』はもちろん『』も隠語だったのではないのじゃろうか。


 『、『退


 鬼がいて、人間に犬猿雉が混じって鬼を倒す、それよりは可能性があると思うんじゃが、どうかのう?


 つまり桃太郎たちは言ってみれば、必殺仕事人じゃったんじゃな。


 ……まあこれは冗談だとして、調べたら桃太郎って吉備津彦命の幼名だとも書いてあったし、鬼は温羅といって統治者だったとも書いてあるらしいし、やっぱり真面目に考えたらよく分からんわい。


 タイムマシンの開発に期待するしかないという事じゃな、うん。

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