海外小説の翻訳を読んでいるような洒脱な会話が上々である。
知ったかぶってる知識曖昧な野郎はまさかの生業だったが、実際にはこんなものだろう。
夢の世界に片脚を突っ込んでいるのが職業病である。
それに対して女の方は上昇志向のバリキャリで、生き方の指針をびしっと決めている。
そんな彼女が聴いているのはローリングストーンズ。
可愛げがない。
そんな二人が飛行機の中で隣席になるのだ。
噛み合っているようなそうでないようなお洒落な会話を続けながら、軽い浮気を互いに仕掛けている。
ブエノスアイレス(春光乍泄)
わずかな描写でもそこから長編小説が見えてくるような、可能性を感じさせる一篇。