ミステリーを執筆する方法

不悪院

一次創作経験0でもデキる! ミステリーの書き方

 どうも、不悪院といいます。カクヨムでは異世界お下劣ミステリー「セックス家の殺人」――通称「セク家」をほぼ毎日連載しています。


 セク家はミステリー部門で週間1位を獲ったこともあり(過去の栄光)、一応はミステリーのテイも成しているため推理小説と言ってもまあ問題ないでしょう。


 本記事では、一次創作経験が0の私でもミステリーをほぼ毎日連載できるようになった方法を備忘録的に書いていきたいと思います。創作論というとかなりおこがましいですが……。


 まず、私の来歴から語ります。「は? そんなんキョーミねーよ!」という方はここから2段落分飛ばしてください。


 実は私はミステリーを書いた経験どころか、一次創作経験すら全くありません。半年くらい前まで非定期(半年に1回くらいのペース)で二次創作のアングラな企画に参加し、ちょいちょい駄文を投げていましたが一次創作に手を出したのはセク家が初めてでした。


 しかし! そんな私でもミステリーを毎日書けちゃってます。しかも……「異種族が登場する」&「トリックが下ネタ」という2点を必ず守った上で、です。


 そして来歴を語った後にいきなり本題ですが、ミステリーを書くには4つのポイントがあると思います。



 まず、1つ目。お約束を作ること。これはめちゃくちゃ簡単です。要するにミステリーと関係ない部分の執筆コストを極力抑えましょう、ということです。


 たとえばセク家でいえば、毎話の始まりは探偵がエッチな夢を見ているところに助手のオークが突貫してくることからですし、探偵が推理を閃くのも性風俗店で賢者モードになった際というのがお約束です(下品な話ですみません)。


 もうぶっちゃけますが、ここは完全にコピペで書いています。前の話からコピペして、若干細部を変更しているだけです。


 こうすることで起承転結で悩まず毎日ミステリー部分を書くことに集中できるし、「あ、お約束展開だ」と思ってもらえることで読者からのツッコミを減らせるという意外なメリットもあります。



 次に2つ目。縛りを付ける。縛りというのは、たとえば「毎回密室殺人」とか「犯人が毎回同一人物」とかそういう展開上の制約です。


 縛りは、一見物語の広がりを妨げることになりそうですが、これを付けることによって思考の取捨選択ができるのです。


「自由とは最大の不自由である」というのは誰の言葉だったでしょうか。制約がない、ということは何でもできるということですが、これはセク家のような連作短編形式のミステリーにはマイナスに働きます。


 あえて縛りを付けることで「こういうトリックが使えそうだな」とか「こういう展開にしたいな」というように、予め定められた方向性を向いて考え始めることができます。


 これは執筆をするうえで助走の役割を果たし、特に毎日執筆などスタミナが求められる場合には役に立つでしょう。



 次に3つ目です。肩肘張らず気楽に書く。ミステリーというと、トリックが無いとダメとか、ノックスの十戒とか、犯人がいる必要があるとか色々考えてしまうかもしれませんが、そんなことは全くありません。


 世の中に出版されているミステリーでも、トリックが無かったり、ノックスの十戒を全部破っていたり、犯人がいなかったりとやりたい放題の作品は星の数ほどあります。


 個人的にミステリーの定義とは、「謎が作品内で解決される(ように思える)娯楽作品」全部が当てはまると思います。


 この、謎が作品内で解決される(ように思える)「娯楽作品」というのが重要で、解ける過程も、事前の伏線も、さらに言うならぶっちゃけ元々謎すらなくても問題ありません。ようは読者が読んでいて楽しい気持ちになればいいのです。


 ですので、「ミステリー……なのか?」と自分で不安になるものでも、とりあえずミステリーカテゴリで出してみましょう。面白ければ星がつき、PVが伸びるはずです。


 ミステリーは肩肘張らず気楽に書くのが一番です。


 また、気楽に書く、という点からは少し離れますが、フーダニットであっても犯人については誰なのか分かりやすいくらいにする、ハウダニットでもすぐに解けるトリックにする、というのが意外と大切です。


 個人的に、読者については、謎が解かれた際に「ああー、そうだったのか!」という楽しみを味わいたいタイプと、読みながら謎を解いて「ここはこういう解決をするんだ」という楽しみ方をしたいタイプの2種類がいると思っています。


 (恐らく)この記事を読んでいるミステリー初心者の皆さんは、「トリックが明かされて楽しめるミステリー」と「謎を解きながら楽しめ、最後にトリックが明かされるミステリー」のどちらが書きやすいと思いますか?


 そう、読者を驚かすために展開に凝る必要がない分「謎を解きながら楽しめ、最後にトリックが明かされるミステリー」の方が書きやすいですよね。


 ですので、トリックがたとえバレバレでも読者が楽しめればOKという気持ちで書いてみましょう。バレバレのトリックでも、意外と最後まで騙されてくれる読者も多いかもしれません。



 最後に4つ目です。書ける時にたくさん書く。


 これはすごく大切です。毎日連載でも、時間がどうしても取れないときや気分が乗らない時、展開が思いつかない時があります。


 そういう時のために、書ける時にたくさん考え、たくさん書き溜めておくのです。この「書き溜める」というのは、スマホのメモ帳アプリにぱぱっと箇条書きでトリックに使えそうな展開を書いたり、実際のやり取りを書いたりすることも含まれます。


 とにかく使える武器を増やしておけば、いざという時に絶対に役立ちます。それは今書いている作品で役に立つわけではないかもしれませんが、執筆を続けていれば他の作品で使える機会も来るはずです。



 以上、4点が私がミステリーを書くうえで大切だと思う事項です。


 これらの事項を意識すれば、たとえミステリー執筆経験0でもホイホイ書ける……はず! ですので、とりあえず書き始めてみるのが一番です。


 せっかくカクヨムという、すぐに感想が得られるサービスがあるのだから腕試しをしないのはもったいないですよ。


 ミステリーは他の作品カテゴリに比べて、執筆完了時の脳汁の出が段違い(当社比)です。本当に!


 乱文乱筆でしたが、これにて「一次創作経験0でもデキる! ミステリーの書き方」を終わりにさせていただきたいと思います。


 なんだか心構えとか考え方ばかりで具体的な技術については一切触れない感じとなりましたが、そういうのは他の推理小説や創作論を読んでいれば自然と培われるモノなのでご容赦を……。


 では、次の段落に私の心の叫びを載せ、終わりとさせていただきます。皆さん、ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。


 ――ミステリーはたくさん書いたほうがいいですよ!!

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