第17話

下僕の故郷は小さな村だった。


 ろくに働きもしない父親と、都会出身の母親とのあいだに生まれた下僕。

 母親は何かワケ有りで村に移り住んだらしいが、都会での暮らしが忘れられず『子供なんかできなければ』が口癖で、実子への八つ当たりはしょっちゅうだったそうだ。

 父親は酒に溺れており酒が切れるとすぐに暴力を振るってきた。


 そんな両親から食事がまともに与えられるわけもなく、いつもひもじい思いをしていたと下僕は語る。

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