第5話生きる理由

「ありがとうございました!」

そう言って客を見送る。

今では当たり前のことだ。

この当たり前な生活送れるのは、高校…あの時助けてもらえたからだと思う。

さっきの客…似てたな。

そうあれは、高校での事。

いじめられていた僕は、学校の屋上から飛び降りようとしてた。

今考えるそんな事で死のうとしてたのか…。

そう思えるんだけど。

でも飛び降りる寸前。

『ドン!』

後ろから音がした。

ハッと後ろをみたら知らない男子が抱きついてきて、びっくりした。

「ねぇ、死ぬんだったら僕とすこし話さない?」

と一言言われた。

今でも覚えてる。

その後先生がやってきて、そこまで大きな問題にならなかったけど。

その後も、クラスには行かずに、保健室や、健やか教室っていうクラスに馴染めない子とかが行くとこに通ってたんだけど。

いじめてきた奴らは、元気に学校に通っていじめられた僕はひっそりと、隠れて暮らしてた。

そんな中、保健室にいたらたまたま、同じ学年の違うクラスの子と鉢合わせちゃって。

でもその子はものすごく優しくて、お父さんの容態が悪化したから、早退すると言っていた。

でもその後もちょくちょく会いにきてくれて。

よく花の話をしくれたっけ。

お見舞いで花を持って行くようになってから、花言葉とか季節の花をおぼえるようになったって言ってた。

それが繋がって今の僕の仕事にもなったし。

懐かしいな。

まああの客に似てたのは、助けてくれた人じゃなくて、その人の後ろにいた人なんだけど。

僕もいつか誰かの、生きる理由になれたらいいな。

そういえば今買ってもらった花言葉…なんだっけ。

確か…幸福を告げる、小さなたくさんの思い出とかだっけ。

あの人にもたくさんの思い出と幸福が訪れたらいいな。

そう思いながら、閉店の準備を始めた。



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