きれいな、ひと。

茶村 鈴香

きれいな、ひと。

普段はなんてことない

下ネタ混じりの冗談ばっかり

基本的に体育会系マインドだし

40過ぎてワルガキみたい


な、くせに


ふと会話が途切れた時

例えば滑走路の見えるラウンジ

天気良いねって眩しそうに

見上げる横顔がやっぱりきれい


サラリーマンには

ちょっと無理な長髪さらさら

切ってもいいけど

「自分自身が納得してから」 


って、何に?


名残りの反抗期

ヒーローは竹原ピストル

ブルーハーツも怒髪天も

もう覚えたよ 私もそのサビ


ねぇ行かないと

搭乗口は結構遠いのに

多分途中で食べたがるはず

苺ミックスソフトクリーム


なんかずるい

ずるい、ずるい、ずるい

女でもきれいに生まれつけなくて

足掻いて足掻いてこの程度なのに


ひょいと飛び越えるんだね

ふざけて作る表情は封印

歩き方も変わってしまう

男でもあり女でもあるように


妖精みたいって言ったら

笑ってネタにされるから

息を止めて見ているよ

ランウェイの上 羽が生えてる


まちがいなく ライト浴びて 

あなたは[モデル]という存在


まちがいなく あなたは いま

『きれいな、ひと』







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

きれいな、ひと。 茶村 鈴香 @perumi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ