異世界へ

私がゲートを通ると、二足歩行の動物が立っていた。後ろを振り向くと、来たはずのゲートが消えていた。

「ようこそ、ここは君がいた世界とは少し違う場所なんだよ」

「は?」

アニメとかではよく見ていた[?]が頭の中に出て来た。

「オラの名前はナナ」

「この世界は今いろいろな危機に陥っている。ほとんどは魔王のせいなんだけど、誰も勝てずにみんな困っているんだ。だから他の世界に助けを呼んだんだ」

「どうやったら帰れるの?」

「分からない、けど魔王を倒したら何か変わると思う。」

「帰れる保証は?」

「無い」

ナナは申し訳なさそうに言った。

「どうせ現世でも特に平凡な日常だったし、1回やってみるのもありかな」

私は魔王を倒すことにした。

「でもどうするの」

「オラたちは何か一つスキルを持っていて、それを使って倒そうとしてるけど、中々いいスキルがでないんだ。」

「ナナは何を持っているの」

「オラは味方を回復させることが出来る」

「それは当たりなの」

「どちらかといえば当たりかな」

「私はどうすればスキルを得られるの?」

「教会にいけばスキルを得られるよ。魔王の仲間を倒せばレベルアップして新しいスキルを手に入れることも出来るんだよ」

「さっそく行ってみるね」

「楽しみにしてるよ」

私は教会に向かって、走り出した。

数分後、私はナナを探していた。

「スキルなんだった?」

「それが…」

「もしかして思うようなスキルじゃなかったのか」

「教会の場所が分からない」

あの後、私はナナが言っていた教会に向かおうとしていたが、どれも似た建物でどこにあるか分かっていなかった。

「ごめん案内する。」

ナナに案内されて私は、ようやく教会についた。

中に入ると一つの石があった。

「あれに触るとスキルが手に入る」

私は石の前にたち、手をかざした。

石はピカッとひかり、私の前に

何かが出て来た。

「あなたのスキルは[コピー]です」

女の人の声だった。

私はナナのところに戻り、聞いた。

「コピーっていうスキルだったよ」

「オラは知らないスキルだ」

「そうなんだ」

私は凹んでいたが、ナナは思い出したかのように言った。

「そうえばこの村にアユっていうやつがいるんだが、そいつのスキルは剣を手元にだして戦えるっていうスキルなんだが、そのスキルがコピー出来るかもしれない」

「コピーってそういうことなの!」

「あくまでかもしれないっていう話たけどな」

「連れてって!」

「お、おう」

ナナは、今までで一番でかい声を出した私に驚いていた。

私はナナにいろいろ聞きながらアユに会いに行った。

「ナナ!久しぶりだな」

ナナとアユが親しく話していると、私の前にまた同じ声と文字が出て来た。

「コピーしますか?」

「もしかして本当に出来るの」

私は信じ難かったが「はい」と答えた。

「コピー完了しました。あなたには剣技と剣の心構えがスキルに追加されました」

その瞬間、剣に対しての知識が脳内に入って来た。

「これがコピーなの」

ナナは驚いていた。

「もしかしたら大当たりスキルなのかも」

「このスキルさえあれば魔王にも勝てるかも」

このとき私は希望に満ちあふれていた。

「もう夜遅いし、明日また考えよ。今日はうちに泊まっていけよ」

「ありがとうナナ」

私は幸先の良いスタートダッシュをきっていた。

この希望が続くことを私は願いながら、布団に入った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る