第249話

その日の昼頃、金田という男が捕まったとニュースで流れた。


捜査員に囲まれて顔は下を向いていたけど、ひと目見てあの男だと分かった。

男と一緒にいた渚を見かけ、後をつけた日に見た男。


渚が警察に引っ張られ、タイミングを計ったように流れたニュース。

計算されつくした汚い世界だと思った。



世間的に言えば小さいニュースの類だったし、俺らのゴシップの方が何倍も反響はあるだろう。

チャンネルを変えても深く取り上げられている様子はなくて、渚の名前が挙げられることもなかった。


刑事の言った通り何かしらの特別な計らいや圧力があったのかもしれない。





それもまた汚い世界。


なのにホッとしている自分がいる。


矛盾だらけの世の中で生きてる俺も矛盾だらけ。





真実と偽りの境目さえ分からない。


葬り去られた真実はどこへ消えるのか。

誰も気にしないし、追えば追うほど馬鹿を見る。






そう思えば、例え結果は伴わなくても渚の生き方は誰よりもリアルだったんじゃないか。


なんてふと思ったんだ―――――…。

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