中国の兵法 AIとパンダ V.1.1

@MasatoHiraguri

第1話 仮想と現実・幻想と現実・夢と現実

中国の兵法 AIとパンダ V.1.1

平栗雅人

2025年2月26日 14:19


第1話 仮想と現実・幻想と現実・夢と現実

  現時点では、AIとはまだまだ仮想・幻想であり、現実に人々の生活の様々な分野でその「夢のような」生産性を発揮していない。ごく一部の分野・専門家の間ではかなり現実化しているかもしれません。しかし、私のような一般大衆レベルでは、まだまだ「あったらいいなぁー」という空想・期待のレベルです。

一方、「パンダ」とは、全く以て現実の存在感がある。作り物のロボットでもないし、人形でもないし、遺伝子組み換え動物でもない。現実の大自然由来の仕草で、人々の心を幸せにしてくれる。超現実の存在感がある。


ここで述べる「AIとパンダ」とは、そんな「幻想と現実」をそれぞれ象徴するもの、という意味です。特撮で作ったカンフー映画を観るのと、中国の公園で現実の太極拳を見るという対比、でも良いのです。


第2話 現実を忘れない中国人(の若者)


中国人(の若者)は、勉強という仮想空間で深夜まで頭を振り絞ると、自転車で5時間もかけてラーメンを食いに行く。頭が数式や作文で一杯になって現実から離れる時間が長くなると、それを同じくらいの時間をかけて汗水流し、超現実を体感することで自分を取り戻そうとする。

映画のキャラクターグッズを山ほど買い込んで幻想に浸る一方で、ベランダの観葉植物という実物を見て触れて、大地(鉢植えの土)に根を下ろす大自然の息吹に触れ、自分という人間の本来の立脚点を確認する。幻想一辺倒に偏って生きる、ということはしないようだ。

これが「中国人は現実的民族」と言われる所以なのでしょう。


<現実に対応できたかつての日本の武士社会>


日本の武士社会では「治に於いて乱を忘れず」が身上であり、それ故に、元寇(鎌倉時代、元の軍隊が日本に来襲した事件。1274年と1281年の2回壱岐・対馬を侵し博多に迫った)という超現実(国難)に対応することができた。

外来種偽日本人である天皇や貴族たちは、神社や寺で祈祷師にお祈りをしてもらうことばかりやっていた。そして、2度の国難を排除した時、彼ら外来種偽日本人の天皇や貴族は「私たちのご祈祷のおかげで台風がやってきて元軍が滅びた。」といって、鎌倉幕府に論功行賞(ご褒美)を要求したという。こういう幻想ばかり見ている人間が政権を握っていたから、奈良・平安時代は貴族文化だけで、大衆の文化も生活も豊かにならなかったのです。


(元寇は2回とも夏に来襲したのです。しかし、日本全国の武士が九州に結集して奮戦し、一ヶ月以上彼らの上陸を押さえていたため、船に乗って海上にいるしかなかった十万の元軍は、台風襲来によって海の底へ沈んだのです。台風が来る前に元軍が上陸していたら、少なくとも九州は中国のものになっていたかもしれません)。


話は現代になりますが、そういう武士的な現実感を持って生きていたのが、日中国交回復を成し遂げた故田中角栄元首相でした。50年前の首相が(詩的でありながらも超現実家)田中角栄であったがゆえに、中米国交回復という国難を日中国交回復という国慶に変えることができたのです。


田中角栄首相以前・以後の首相も、おおかた外来種偽日本人的な精神的素地(幻想ばかり)であり、特にここ数代の首相は100パーセント外来種偽日本人になってしまいましたので、この先の日本は元軍と同じく、奈落の底に沈んでいくのでしょう(か)。


第3話 机上の事実と博物館の事実(実物)


50年前の日本では、子供は昼間は街中や公園で走り回リ、夜は勉強。昼間勉強したら夜は神社の祭りで金魚すくいのような現実の活動を体験する。ウイークデイに学校や図書館に閉じこもっていたら、日曜は釣りに出かける。そんな静と動・仮想空間と現実の活動とがバランスよく行われていたのです。

しかし、今や、そのバランスが崩れ、数式や公式・法律や制度なんていう知識ばかりの「頭でっかち」ばかり増えてしまった。これでは、たとえ良い大学で理工系の学問をしていても、良い発想は生まれないだろう。

寺田寅彦(1878~1935)という優れた科学者はまた、夏目漱石門下で随筆や俳句をやるよき文学者でもあったのです。



中国人は博物館好きのようですが、自分たち民族の歴史を本やビデオからだけでなく、現実の発掘品を間近に見てそのリアリティを実感することで、自分の歴史(観)をしっかりと認識しようとするのだろう。

中国で、AIでもスマート技術でも、後から後からおもしろい、楽しい、役に立つ応用技術が生まれてくるのは、ひとつには中国の若者が、空と実、虚と実といった形而下と形而上のバランスをうまく取った生活を続けているからではないだろうか。

 最近の中国において、科学技術を応用した様々な発明が多く案出されるのは、中国人が子供の時から、学校で教わった知識を博物館で現実に見たり、猛烈な勉強の後でサイクリングで汗を流すといった、学問と実働・虚と実・静と動といった物事の両面をバランスよく学んできた成果、という見方もできるのです。


  時間がないのでピックアップできませんでしたが、人民網日本語版のヘッドラインをご覧になれば、「AIとパンダ」はいくらでも、見つけることができるでしょう。


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2025-01-24 16:55

http://j.people.com.cn/n3/2025/0124/c94638-20270372.html


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2025-01-26 14:22

http://j.people.com.cn/n3/2025/0126/c94638-20270773.html



第4話 人民網日本語版の兵法(人を説得する理念)


  人民網日本語版の様々な記事から、中国人というものについて多くのことを知ることができるのですが、その意味では、人民網日本語版の編集方針・ソフトウェアからも、やはり中国人というものを帰納することができる。

  これもまた、自身を掘り下げることで私の「本性」を追求する哲学(行為・知的運動)であり、楽しい「頭の体操」でもあるのです。


続く


2025年02月26日(水)

V.1.1

平栗雅人

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