玲夢ちゃん ! ! フリースピリッツ。
猫の尻尾
第1話:不死川 玲夢(しなずがわ れむ)って子。
高校に入学して間もなく僕には好きな女子ができた。
同じクラスの「
まるで透き通ったかのような存在の天使的彼女を僕は好きになった。
誰かを好きになるのは、やっぱりそのビジュアルと自分の好みだからね。
彼女が僕のドンピシャのタイプ。
性格も大事だけど、何はなくてもまず、そこは顔でしょ?。
僕は中学卒業を機に田舎に引っ越すことになった。
両親が老いた祖父母の面倒を見るため都会から父親の故郷の瀬戸内海に浮かぶ
島への引越し。
だから高校に入学した時、中学の時の同級生はひとりもいなかった。
高校の同級生は知らない顔ばかり、だから新鮮と言えば新鮮だった。
僕の名前は「
入学して間もなく友人がひとりできた。
彼は「
そんなだから横地とはすぐに打ち解けた。
それに横地と玲夢は中学の時から一緒らしかった。
だから横地に玲夢のことを聞いてみた。
そしたら横地は、鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔をして僕に言った。
「もしかして仲道君、不死川に気があるわけ?」
「あのな・・・悪いことは言わないから不死川はやめといたほうがいいぞ」
なんで?なのか、聞いても横地君はそれ以上のことは言わなかった。
だからって僕は
で、席決めの時、ラッキーなことに玲夢は僕の前の席になった。
僕は玲夢の艶やかな髪の後頭部と小ぶりの背中ばかり見ていた。
僕にとっては天使の背中・・・その背中に天使の羽さえ見えたほどだ。
僕は人見知りだから、図図しく玲夢に声なんかけられない。
だけど、玲夢は人見知りなんかしないタイプみたいで、すぐに僕に声をかけて
きた。
彼女はポジティブな性格みたいで男っぽいって言うか、話しててもさばさば
している。
どっちかって言うと僕はネガティブな性格だからか、玲夢の明るい性格と気さく
なところに惹かれた。
争いはキラいだけど僕の中にも男としての闘争心はあるわけで、このままなにも
しないでいたら玲夢を誰かに取られてしまう、そんなの許せない。
予約を入れておかないと・・・。
で、玲夢を校舎の裏に呼び出して好きだって気持ちを告った。
返事は五分五分・・・ごめんなさいって言われたら僕の恋愛のページに玲夢って
名前が記載されないことになる。
な訳で玲夢からはすぐに返事はもらえなかった・・・なにか
「門前君、ひとつ聞いていい?」
「なんでしょう?不死川さん?」
「私のどこがよかったの?」
「僕にとって不死川さんはマストなんです、タイプって言うか・・・天使って
言うか・・・」
「え?〜まじで?・・・私のこと、そんなふうに思ってるの?・・・なんか
そう言うイメージ持たれると気が重いんだけど・・・」
「門前君、私を美化しすぎ・・・私は天使なんかじゃないよ」
「私と付き合ったらきっと後悔するよ」
「そんなの付き合ってみないと分かんないし後悔するって理由も分かんないし・・・天使って言われるのが嫌ならもう言わないから・・・悪魔でもいいから
付き合ってくれないかな?」
「なにそれ・・・門前君・・・君、面白いね」
「ん〜・・・じゃ〜いいけど・・・後悔しても知らないよ」
「ありがとう・・・僕が一番大切にしてるフィギュアより大切にするからね」
「私ってフィギュアレベルなんだ・・・あはは」
その告白を機に僕と不死川 玲夢は、今まで以上に大接近した。
玲夢と僕の家が案外近かったこともあって登校時と下校時は一緒に仲良く高校に
通い始めた。
僕と玲夢が仲良くつるんで帰ってることはすぐにクラス中に広まった。
高校生も恋愛だって今は普通だろって思ったんだけど、玲夢のことを知ってる
生徒の目から見ると、それは普通じゃなかったみたいだった。
ある日、僕のところに横地が来て耳を疑うようなことをのたまわった。
「仲道・・・僕、言ったよね、不死川はやめといたほうがいいって」
「ああ、そんなこと言ってたな?だけど、なんでダメなのか理由も言わない
のに横地の言うこと聞くわけないだろ?」
「僕は不死川さんのことが玲夢が好きなんだ・・・横槍入れないでほしいな・・・
それとも横地・・・ヤキモチか?」
「ヤキモチなんかじゃなくて・・・いいか、よく耳の穴かっぽじって聞けよ」
「大丈夫だよ、昨夜耳掃除したから」
「あのな・・・
「顔は女子並に可愛いし女子の制服来てるし・・・だけどあいつは男だよ、仲道」
「男?・・・なんで?・・だって男なら学ランだろ?なんで女子の制服着てるん
だよ」
「そんなこと知らねえよ・・・本人に聞けよ・・・とにかくそう言うことだから」
「やめとくなら今のうちだぞ・・・お前の恋愛対象は女だろ?」
つづく。
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