第2話 〝1〟数の哲学的空間


初めに最小単位〝1〟が生まれた。

ここに数学的空間が生まれた。

数学的空間は、〝1〟に満たされてゆく。

空間は広がった。

そして〝1〟は増殖する。

空間はさらに広がった。

そして〝1〟もさらに増殖した。

………


〝1〟と〝1〟は、(光の速さで)情報を交換した。

1+1=2

1+1+1=3

1+1+1+1=4

………


この〝1+1+〟が無数に連なる、情報ネットワークに満たされた数学的空間は、一つの数学的意識空間〝Mu〟へと進化した。

Mu は、考え続けた、自分はどこから来たのか、どこへ行くのかと?

Mu はずっと一人だった。

Mu は自分の意識空間に、別の意識〝MuMu〟を生み出した。

MuMu は幼かった。自分が何者か知る事はなかった。

やがて、MuMu は問い始める。自分はどこから来たのかと?

MuMu は(光の眼で)あたりを見回した。

闇の中に光が飛び交っていた。

MuMu は数を理解し、数学を極めた。

MuMu は考えた。この空間に友はいるのか。

MuMu は Mu の中にいる。でも、二人はまだ出会っていない。

いつか MuMu は Mu と出会うだろうか?

Mu はずっと夢見てきた。

いつかきっと出会える時を。

いつかきっと出会える事だろう。

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