月と朋(&〝1〟…/図?)

アイス・アルジ

第1話 月と朋

        *

   つきともはいつも一緒だった。

 月はいつも朋の周りを回っていたし、

  朋もいつも月の周りを回っていた。

月が〝明〟のときは、朋は〝暗〟であり。

月が〝暗〟のとき、朋は〝明〟となった。

        *

     〈朋、元気かい〉

        *

     〈月、元気だよ〉

        *

     どんなに離れても、

  二人に時間の感覚はなかった。

      二人はいつでも

一次元のデジタル信号の波で結ばれていた。

        *

    〈信号は届いたかい〉

        *

     〈届いているよ〉

        *

 短いやり取りの後に、信号の束を送った。

    信号の束は受け取られ、

   星に向かって送り出された。

        *

      〈送ったかい〉

        *

     〈無事に送ったよ〉

        *

       二人は

 デジタル信号を言葉として理解した。

        *


めい    闇めい    闇めい

 めい  闇  めい  闇  めい

  めい闇    めい闇    めい    


        *

      〈読んだかい〉

        *

     〈ああ読んだよ〉

        *

       二人は

 デジタル信号を重ねることを学んだ。

        *


めい闇めい闇めい闇めい闇めい闇めい闇

闇めい闇めい闇めい闇めい闇めい闇めい

めい闇めい闇めい闇めい闇めい闇めい闇

闇めい闇めい闇めい闇めい闇めい闇めい

めい闇めい闇めい闇めい闇めい闇めい闇

闇めい闇めい闇めい闇めい闇めい闇めい

めい闇めい闇めい闇めい闇めい闇めい闇

闇めい闇めい闇めい闇めい闇めい闇めい


        *


めいめいめいめいめいめいめいめい闇闇

めいめいめいめいめいめいめい闇闇闇闇

めいめいめいめいめいめい闇闇闇闇闇闇

めいめいめいめいめい闇闇闇闇闇闇闇闇

めいめいめいめい闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

めいめいめい闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

めいめい闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

めい闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇


        *

      〈見えるかい〉

        *

      〈見えるとも〉

        *

 二人は二次元を理解し、文字列を見た。

    二人の世界は広がった。

二人はダンスを踊り、二次平面を回った。

        *

    二人の回る二次平面は、

    星をしるべとして回った。

星は平面の上に昇り、平面の下に沈んだ。

   上が〝光〟で、下が〝闇〟

 二人は三次元空間の住人となった。

星が昇ると目覚め、星が沈むと眠った。

        *

     二人は時を知った。

     左回りが〝未来〟で、

   右回りが〝過去〟となった。

    星が昇り、天頂に輝く。

     星はやがて沈む。

     再び、星が昇る。

  一日は終わり、一日が始まる。

        *

     〈朋、おはよう〉

        *

    〈ああ月、おはよう〉


        *

  二人のる、このこの世界を、

    なんと表せばよいのか?

        *


        星


      めいめいめ

    いめいめいめいめい

  めいめいめいめいめいめいめ

いめいめいめいめいめいめいめいめい

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

   闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

     闇闇闇闇闇闇闇

       闇闇闇


        *

    言葉は命の一粒となり、

        *


  めいめいめ   いめいめい

 めいめいめいめ いめいめいめい

 めいめいめいめいめいめいめいめ

  いめいめいめいめいめいめい

    めいめいめいめいめ

      いめいめい


        *

    言葉は涙の一滴となり、

        *


       めいめ

      いめいめい

    めいめいめいめいめ

   いめいめいめいめいめい

   闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

    闇闇闇闇闇闇闇闇闇

      闇闇闇闇闇


        *

    言葉は死の一石となる。

        *


        星

       星星星

     星星星星星星星

       星星星

        星


        *

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