ポリコレ反転にも程が有る異世界に生れ変ってしてしまった……/現世篇(1)「家畜亜人Q-JAP」
@HasumiChouji
プロローグ
大洗にも星はふるなり
「おい、何で、命令通り緊急サイレンを点けてないッ⁉」
私の上司である、日本海軍国境警備隊大洗第2大隊第3中隊の中隊長である
おっと、名前がクソ長いのは判ってるが、我々「シン日本人」の名前……特に
ちなみに、私の正式な名前は、
男の名前は、もっと短かくて、日常生活においては便利だが……それは、あいつらが
そして……私達女も普段は……。
「
「判ってないのは、お前の方だ、弥助。問題ない。今の監察部の責任者は、私の伯母だ。私のやる事にイチャモンを付けた監察官こそ左遷される」
と、このように幼名を使ってはいるが。……って、私は、今、誰に説明してるんだ?
まぁ、いい。
「大体、中隊長と最先任の中隊付き士官が両方共詰所に居ない方が問題だろうが。何で付いてきた?」
「そりゃ……」
「間もなく、警察署です」
私が話をしている途中で、運転をしている軍用下士官型のオスの家畜亜人がそう割り込んだ。
野生の
「ああ、すまない……えっと……
「はい、吉四六IB−OA−05−208206M−002012でありますす」
「ああ、ご苦労だった吉四六。警察署の駐車場に車を駐車させて、私達が戻って来るまで待っててくれ」
「了解であります。御意のままに、中隊長様」
ああ、そう言えば、家畜亜人の名前もクソ長かった。
こいつの場合は、「吉四六」がタイプ名、「IB−OA−05」が茨城県の大洗の工房の第5棟で生産されたという意味、「208206M」が製造ロット番号、「002012」が当該ロットの他の個体と区別する為のシリアル・ナンバーだ。
「行くぞ、警察の阿呆どもから、私の『タヌくん』を取り戻すんだ」
「あの……」
「何だ?」
「何で、あの家畜亜人の娘は『タヌくん』なんですか? あんまりタヌキっぽい顔じゃありませんけど。どう見ても、『トメ』タイプの萌え系メイド家畜亜人の平均から大きく外れてない外見です」
「それは長い話になってな……あと、私の大事な『タヌくん』の事を『トメ』とか呼ぶ……ん?」
その時、警察署から出て来たのは数人の……。
「おい、あんな外見の家畜亜人って居たか?」
「いえ……同じタイプの家畜亜人でも技術上の理由からDNAには、わざとバラツキが有るので……」
作業着のような服を着た十代後半から二十代前半に見えるメスの家畜亜人が4名……ん?
「待て、貴様ら何物だッ?」
「無関係な者は巻き込みたくない。逃げろ」
そう答えたのは……
いくら、わざと各個体ごとのDNAにバラツキが有るように作られているとしても、こんな色の髪の毛の家畜亜人など居る筈は無い。
そして、我々、
「き……貴様ら……まさか……」
「ご明察の通りって所かな?」
別の……
「やっぱり、そうだ……。
「へっ?」
「あのなぁ……何で、外国の工作員のクセに白昼堂々、町中を出歩いてる。警察を呼べば……」
「おい、弥助。警察はここだ」
豹次様は……冷静なのか馬鹿なのか判らないツッコミ。
「第一、そいつらが今出て来た場所こそ警察署だ」
……私も自分で思ってたより、かなり馬鹿なのかも知れない。
「あと、ここの警察署は壊滅させた。可哀想だが、警官のみならず、事務員も皆殺しにした。あと一〇分後に爆破する」
……。
…………。
……………………。
「たぁ〜ぬぅ〜くぅ〜んッ‼」
この世の終りでも来たかのような絶叫と共に、警察署に飛び込む豹次様。
「あのさ……ボクたちの事、馬鹿の集団とか言ったけど……キミの連れも相当な馬鹿だろ」
「爆破時刻は二〇分後に変更してやる。礼は要らん」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます