第12話 通帳は3冊そして休校
なんとか親を説得した。
納得したかどうかは、まだちょっち不明な感じだけど、普通くじ、ジャンボ宝くじの当選発表後に換金に付き合ってもらえることに落ち着いた。
両親の説得が終わってホッとしていたら、家に電話がかかって来た。
なんでも、学校内で多数の行方不明者が出ていて、警察の立ち入り調査中。
白い部屋のことだとピンと来たが無反応で対処。
本来なら事件発生当日に安否確認をすべきだったのだが、バタバタしていて後手に回ってしまったとのこと。
学校では影の薄い僕、どうせ忘れられてたんだろうとか思いつつも言うのは我慢。
学校に対して
一旦は学校に行ったけど、頭痛くてすぐに帰った、その後は家で寝てた。
翌日、体調も戻ったので隣のクラスの星野夜人と一緒にサイゼに行ったりしたと説明した。
とりあえずの対応として、高校は一時休校。
再開については別途連絡する ってことで終わった。
教科書もあるし、タブレットに課題も配信されて来るから、休校となってもあまり大差無い。
クラスでの僕は影が薄くて、誰も話しかけてこないから、行っても行かなくても一緒。
幼馴染のヤトや両親のように、僕に気づいてくれる人と繋がれていれば十分。
なんだか、いろんなことがあってバタバタしてたから、このちょっとした休みって嬉しい。
なにをする訳でもなく、数日まったりと過ごした。
抽選日になった。
両親とワクワク・ソワソワしながらTVを見ていた。
もちろん、ヤトも呼んだよ。
高額当選で舞い上がる両親、全部で11億を越えたんだからそうなるよね。
ヤトも喜んでくれた。
でもヤトったら端数当選分から5万のくじを2枚受取ってくれただけだった。
高額な現金が絡むのに、なんていいやつなんだろう。
「沢山もらったら、もっとくれになりそうで怖い。
手伝いだったし、チャンネルのネタ提供もあったんだから、コレで充分だよ」
それから数日、新聞発表での再確認、Web発表での再確認をしてから、予約した銀行へ。
当選くじを渡して確認してもらい、待つこと暫し。
通帳は3冊。
一つは高額当選10億の口座で僕名義だけど親管理。
もう一つは親孝行分として、手間賃2億を入れた親名義。
最後は端数分として、僕名義。
スクラッチの端数581万と、普通くじ、ジャンボ宝くじの億未満の端数が入ってる。
助かるけど、多くない?
何だかんだ言って5800万だよ?
高校生には多すぎだよね?
無駄遣いしなきゃいいとか言われても、いろいろと実感ないよ。
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