ハチを探しに...

朝の作業を終え、セラフィーナさんと買い物にいていた。


求めている素材は ハチミツ だ。


そう、ハチミツを使ったお酒といえば、ミード。


普段作っているエールとは違うが美味しいお酒だ。

どこを探してもハチミツらしき物は見つからない。


無いわけがないはずなのだが…


「セラフィーナさん?この街にはハチミツはないのですか?」


「ハチミツですか??高級な素材ですから、それほど市場に出回ることは無いはずですが」


「ハチミツが高級なんですか?」


「魔物からとる以外の方法がないですからね」


魔物…俺が異世界にきて初めてあったのはゴブリン。それ以外はギルドで解体されている物のみ。


希望を込めてギルドに来てみた。


「いつもと違うので受付嬢の方に聞くといいですよ。依頼案内もしてくれますから。聞いてみてください」


「すみません、ハチ駆除やハチミツに関する依頼はありませんか?」


「こんにちは! えーと、ちょうどありました一件! ですがクイーン ビーの発生を確認されているので、危険度C級ですよ?」


C級...よくわからないが、蜂なら問題ない。

昔、崖にできていた巨大な巣を採取したことがある。

あれは、大人3人分ほどの大きさだった。


「何度か駆除した事があるので大丈夫です。この依頼受けさせて頂けますか?」


「承知しました!それではギルド章を出して下さい」


「ギルド証...持ってないです...」


ギルド長が笑いながら現れた。


「ギルド証が無いと依頼は受けれないんだよ。が!しかし...俺がこの依頼受け一緒に行こう」


「え!?何でですか?」


「視察も兼ねてだよ」


「ギルド長のいつもの気まぐれだろー!」

周りの冒険者から茶化されている。


「そ、それでは、ギルド証を発行したのち受理しますので少々お待ちください」


数分後ギルド証が完成した。


「ケンイチ様こちらがギルド証となっております。各級ごとに期限が決まっておりますのでお気をつけください」


長々とギルド証についての説明をされた。


早速ハチミツを取りに行くことにした。

セラフィーナさんに出かける事を伝え出発した。とても心配していた。


蜂の巣があるという村に乗合馬車で向かった。

道中、ギルド長からお古の武器や装備をもらった。

短剣とチェーンの防具。


何でこんな装備が必要なのか聞くと、


「魔物相手に素手でやりあう気か?ふざけているのか?」と真面目に怒られた。


ーーーーーーーーーーーーーーー


1時間ほど馬車に揺られ到着した。


「おい兄ちゃん、手分けを情報収集だ」


別行動で村を歩き回り蜂、クイーン ビーについて情報収集をした。


集まった情報は、村の西に巣がある。クイーンが出現してからより凶暴になった。家畜に被害が出ている。他の魔物も逃げている。


との事だ。家畜に被害ってどういう事だ?


「兄ちゃん早速クイーンを見に行ってみないか?」


「そうですね、下見しに行きましょうか」


村の西に15分ほど歩くと巣の全貌が見えた。


デカすぎる...


蜂の出入り口が普通に人が出入りするには十分すぎるサイズだ。


「あの…あの巣は、普通なサイズですか?」


「今回は特別大きいが、蜂の大きさはこんなもんだぞ」


話していると働き蜂が見えた。

体長は1メートルあるのでは無いだろうか...


一度村へ戻り作戦を練ることに。


「よし、兄ちゃん、どんな作戦で行くんだ?」


「煙を使おうと思います。なので、できるだけ多くの木を集めます」


「煙を?まぁ、わかった集めてみよう。」


巣を煙で満たすには大量の煙が必要になる。


木を集めるのに1時間ほどかかってしまった。


全ての準備が終わり、いよいよ夜、作戦を開始する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る