うわっ、何をするやめ───
「───以上が、本日の報告になります」
「ありがとうございます」
夜、野営陣を構築し食事を終えた俺は、指揮官から今日の報告を受けていた。
まぁ報告と言っても、内容はせいぜい進行状況と食料や水の残量程度だ。まだ王都を出て一日だし、険しい道でもなければこれといった魔物もいない。
王都を出れば盗賊やなんかも存在するが、まさかダンジョン攻略のために完全武装した近衛兵団に喧嘩を売る盗賊などいるはずもない。もしいたら、今回の遠征の目的が『ダンジョン攻略』から『盗賊団の掃討』へと変更されるだけである。
というわけで簡単な報告を受けただけで早めに終わり、後は明日に備えて早めに寝るだけとなった。
一般の男性兵はともかく、女性兵や俺とオルキスのような王家の者が他の者達と一緒に雑魚寝というわけにはいかない。
というわけで俺とオルキスは、俺が作ったテントで夜を過ごすことにしたのだった。
テントの中、若い男女が二人、何も起きないはずがなく───
「って期待してたんだけど~……カイゼルくん、それはどうなの?」
「何がですか?」
「ずっと裸の女性の身体を弄ってるじゃん」
「その言い方は語弊がありますよ! 僕はゴーレムのメンテナンスをしてるだけですから!」
オルキスがつまらなそうに文句を垂れる目の前で、俺はここぞとばかりにメイドゴーレム達のメンテナンスを始めたのだ。
俺にとって彼女達は貴重な戦闘力だし、万が一不具合が発生したら俺やオルキスにも危険が及ぶ。だから頻繁に、入念にメンテナンスをする必要があるのだ。
まぁ、見た目は大人の女性のメイドゴーレムの服を脱がせて身体を弄る絵面は、端から見たら確かに
とにかくこれは遊んでるわけでも邪な考えがあるわけでもなく、必要な行為なのだ!
「……オルキスの身体も触ってほしいんだけど……」
「何か言いましたか?」
「なんでもないですー」
「申し訳ありません、オルキス様。しかしこれは必要なことで、どうしてもカイゼル様にやっていただくしか……」
「これもご主人を守るためには仕方がないやんな!」
「特に私はね。魔法による負荷がかかるから入念にヤらないといけないもの。ね、主様?」
俺に背中を向けてメンテナンスを受けながら、オルキスに対して申し訳なさそうにしているヒラリー(全裸)。
メンテナンス待ちで、自らの尻尾を抱き枕にして横になっているナタリー(全裸)。
少しそわそわしながらも、俺の隣に体育座りして肩に頭を凭れてくるメアリー(全裸)。
「ヒラリーはともかく、ナタリーとメアリーはまだ服着てて良いからね?」
「べ、別に恥ずかしいとかじゃないから……」
「ご主人を誘惑してるんやで~? ほれほれ♡」
「こらナタリー!」
「ふ─────────ん?」
あっ……オルキスがめちゃくちゃ不機嫌だ。いつものメスガキムーブすらしないとなると相当だぞ……。
「わ、分かりました。後でオルキス姉様にも何かしますから……」
「…………」
「何かさせてください、オルキス姉様……!」
「んふふ……そんなにオルキスにごほーししたいんだ?♡ 仕方ないなぁ、どうしてもって言うならさせてあげる♡」
『何かする』では反応せず、『させてください』で露骨に機嫌を取り戻すオルキス。
多少機嫌は戻ってくれたみたいだけど、なんだろう……このギャルゲー感……好感度調整が大切なんだな……。
まぁでも、これでひとまず安心───
「なぁカイゼル、今日の獲物狩りのことで……っ!?」
「あっ……」
ちょうどヒラリーが向きを変え俺と向かい合ったところで、テントに入ってきた人物が一人。
それはなにやら俺に相談に来たアルバであった。
いきなり中に入らないとか、外から声をかけるとかといったマナーができていないことはご愛敬として……まさかテントの中で俺が全裸の女性達に囲まれているとは思わなかったのだろう。
ヒラリー達を見てカァァッと真っ赤になったアルバは、シャッと素早くテントの入り口を閉じた。
「何してんだよ中で!」
「そういえばアルバ、お前の義手もメンテナンスが必要だよな。今からやるからテントの中に入っていいぞ」
「それ今言うことか!?」
「カイゼル様もこう言っていますし、アルバ様もぜひこちらへ」
「うわっ、何をするやめ───」
流れるような所作でテントを開けたヒラリーがアルバを捕まえたようで、ヒラリーとその小脇に抱えられたアルバがテントの中へと戻ってくる。
アルバは両手で顔を覆ってメイドゴーレム達の姿を見ないようにしており、『こっちはゴーレムなのに何を恥ずかしがっているんだろう』と不思議そうな表情のナタリー、メアリーとの温度差がひどい。
「あれぇ? 普段あれだけ強気なのに、裸の女の子を前にしたらそんな風になっちゃうんだ? 耐性無さすぎてかわい~♡ 本当はざこざこなんだねぇ?♡」
「っ……っ!!」
「オルキス姉様、止めたげて……多分アルバに効きまくってる」
「ですがカイゼル様、アルバ様の抵抗がない今のうちです」
「確かにそうだな……よし、じゃあヒラリーとナタリーでアルバを押さえておいて。その間にやっちゃうから」
「かしこまりました」
「任しときっ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ヒラリーとナタリーに囲まれ声を上げるアルバ。彼が妹離れし、年上の女性に惹かれるようになるのも時間の問題かもしれない。
そしてこの数分後、セイアも同じように捕らえられることになるのは、また別の話だ。
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