男って本当単純だよね……(自分は棚上げしつつ)
ダンジョンとは、魔力を持ち様々な魔物が出現する構造体の総称である。
何らかの影響で大量の魔力を持った『ダンジョンコア』によって周囲の地形が時間をかけて変形し、さらにはその魔力で多くの魔物を生み出す。
結果として、複雑な地形と大量の魔物を抱える『ダンジョン』となるわけだ。
ダンジョンにも様々な種類があり、深く迷宮のように複雑な道が続く洞窟のようなダンジョンもあれば、拓かれた渓谷のようなダンジョン、浮島のように空に浮いているダンジョンだって存在する。
ダンジョンコアの魔力量によって、ダンジョンの規模も出現する魔物の強さも大きく変わるため、難易度はピンキリだ。
しかし、難易度の高いダンジョンほど、内部で採れる種々の素材は質の良いものになる。
今回俺達がダンジョンに行くのは、騎士団の訓練はもちろん……多くの素材を手に入れて装備をレベルアップさせる目的もあるのだ。
そんなわけで集まったのは、ハルメシア王国が誇る騎士団。ただし、総数は100人程度。ダンジョン遠征はそれなりに時間がかかるし、騎士団を全員連れて行って、遠征の間ハルメシア王国を空けるわけにはいかない。
今回集まった100人は、ウーサリッサが『訓練の必要がある』と判断した者達だ。つまりは、実力的に少々足りていない者達と言うことで……
ウーサリッサに、『お前は弱いから鍛え直してこい』と面と向かって言われた者は多少イラっとし、ダンジョン行きが決定してゲンナリし、俺やオルキスが同行することに面倒くさそうな表情を見せ、そして今———
「へ~、あんた達がオルキスを守ってくれるんだ? じゃあ終わったらいっぱい褒めてあげるね? カッコいいお・に・い・さん♡」
「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」」」」」
オルキスに煽られて歓声を上げている。
ウーサリッサにああ言われて憤慨してたのにホントに単純だな、男って……
「俺とセイアも連れて行くのか?」
ノリノリなオルキスを眺めてた俺に声をかけてきたのは、相変わらず敬語を使わないアルバであった。
そう、今回ダンジョンに向かうのは、騎士団の他に俺とオルキス、そしてアルバ、セイア、ディアールも同行するのだ。
アルバとセイアもまた実力の伸ばさなければならない者だし、もし不測の事態が起きたとしても、俺とオルキスとディアールほどの実力者が居れば何とかなるだろうという判断だ。
「アルバもセイアも、もっと強くなりたいだろ?」
「それはそうですけど、もっとこっちで鍛えてからでもいい気がします……」
「今回俺はダンジョンで色々やりたいことがあるし、あんまり戦闘には参加できないかもしれないしね」
「カイゼル君も意外と乗り気なんだねぇ? そんなにオルキスとお出かけが楽しみだったのかなぁ?」
一通り騎士団を煽って満足したらしいオルキスが、ホクホクした表情で戻ってくる。見た感じ、オルキスの方が楽しみにしているように見えるんだけど……
「はい、オルキス姉様と一緒に行くのすごく楽しみにしてましたよ」
「っ! えへへ、そうだよねぇ♡ カイゼル君はオルキスの事大好きなんだねぇ?♡」
「んむっ……!」
パァァッと笑顔を咲かせたオルキスは、そのままムギュッと俺に抱き着いてくる。スレンダーなエレイアと違って、やたらムチッとしている弾力と花のようないい匂い……性へ(ry
そりゃあ、俺もオルキスのことは好きだ。
だってまだ打撃攻撃中心のメイドゴーレムを作ってないし、拳で殴り合うのが得意なオルキスの動きはとても参考になる。
それに、俺のゴーレム談義を嫌な顔せずに聞いてくれるし……オタクに優しいなんとやら、だ。
オルキスはそんな俺の内心を知らない様子であったが、アルバとセイアは俺の考えを察してジトッとした目を俺に向けている。
……そんな目で俺を見るなよ、2人とも……。
「オルキス様、カイゼル様。そろそろ……」
騎士団も準備が整ったのか、今回のダンジョン遠征の指揮を任された騎士団の一人が声をかけてくる。
この人に限っては、騎士団の中でも団長に次ぐ実力者だ。
今回のダンジョン遠征を企画した人物の一人であり、指揮を申し出た人物でもある。
オルキスは12歳だし、俺も10歳だ。たとえ王族だとしても、『実力が足りない』とストレートに言われた上にこんなお子様に命令されるのは騎士団のプライド的にも厳しいところがあるだろう。
そんなわけで、騎士団員への指示は、全て彼にお任せである。
「うん? そうだねぇ、じゃあそろそろ行こっか♡」
「承知しました。———総員、移動開始!」
「「「「「はっ!!」」」」」
ピシッとした気持ちの良い声が響き、整列した騎士団が移動を開始する。
ダンジョンまでは数日の道のりだ。
こうして、騎士団のレベルアップを図ったダンジョン遠征の旅が始まった。
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