名探偵の孫

俺、有馬奏多は世界的に有名な探偵、有馬真治郎の孫として、常に周囲の期待に応えようと努力してきた。しかし、何をやっても無能と言われ続け、祖父の名に恥じる思いを抱えながら生きてきた。そんな祖父から一通の手紙が届いた。世界的に名高い探偵たちが集結し世界最高峰の推理戦を開催するという内容の招待状だった。到着した俺は晩餐会の最中、突如として、洋館のどこかで叫び声が響き渡り駆けつけると探偵を引退して隠居生活を送っていたビクター・レイヴンスクロウが切り刻まれて死亡しているのを発見した。探偵たちの直感が働き「これは……不可能密室だ」と断定する。物理的に不可能な状況が広がっていて、部屋を完全に封じ込めていたことから、誰も内部から出られたはずがない。どうやって彼は殺されたのか？探偵たちの最大の挑戦がはじまった。